No Diary

【漫画】荒木飛呂彦作品

解説

『ジョジョの奇妙な冒険』ほか、荒木飛呂彦作品の感想(2016年-)。

感想リスト

20160103
おもに第四部以降の『ジョジョ』の話

20160103 Sun

おもに第四部以降の『ジョジョ』の話

  • もう3日なのでお正月も終わりですよ。初詣にも行かずのんびり過ごしていたため日記のネタがないので以前から考えていたジョジョの話でもしようとおもいます。今年は第四部もアニメ化するからという理由付けもできるがそういうのは特に関係ない。というわけでジョジョ第四部以降のネタバレが含まれる上にダラダラ長文なので読みたくない方は見なかったことにしてください。
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  • といっても本当にダラダラ書くとアレなので結論めいたことから先に書くと、『ジョジョ』は第四部(の特に終盤)からは少年漫画の王道である「正義と悪」の戦いというよりは「(敵も味方も)己の運命と戦う」みたいな方向にシフトしたなという話です。
  • そう思うようになったきっかけは第四部~第六部のラスボスの動機がそういう感じだったように感じたからです。吉良吉影もボスもプッチ神父も自分自身が抱える問題の克服のためにああいうことをしたわけで、しかも実はどちらかといえば逃避的な方法での解決を選んだ(吉良吉影で言うと「人を殺すのを我慢する」という常識的な方法ではなく「自分の正体を探る者を自動的に排除する仕組み」を得て安心を手に入れた)のが彼らが悪の側に置かれた根本的理由ではないかと思われる(例えばDIOが言う天国とプッチが言う天国は本当に同一のものだったのかとか考えるとかなり怖い)。
  • ついでに言うと第三部のDIO含めた第三部~第六部ラスボスの能力がいずれも時間に関係するものというのも象徴的で、これらの能力は「本来ありえない時間を操作する=本来操作できない運命に干渉する」という点でも共通しており、運命操作という観点から見るとそれまでの「ラスボスの能力の法則」から浮いているように見える第七部の大統領の能力(平行世界を行き来する)も実はこれまでの流れを汲んだものになっていると言えるのではないか(もっとも第八部のラスボスはどうなるか完全に不明なのでなんとも言えんが)(もっとついでに言うとおれは第七部のラスボスは大統領だと思っている)(ディエゴはあくまで大統領が放った刺客のひとりでありレース上の最後の敵という認識)。
  • ジョジョに登場するキャラは敵も味方もほとんど異様に前向きであり、第六部に出てくる自殺志願者の敵ですら超ポジティブに自殺に前向きだったことを見ても明らかである。弱気だった少年が試練によって成長するのもジョジョでは繰り返し描かれてきた(第一部のポコ、第四部の川尻早人、第五部の幼少期のジョルノ、第六部のエンポリオなど)(ただしボインゴは…人生とはそういうものだから…)。特に早人とエンポリオに関しては「黄金の精神」は物語の主人公だけが持つのではなく誰の心にも受け継がれる的な少年漫画の王道中の王道をやってくれたわけじゃないですか。熱すぎて泣くわ。一方で第七部では「漆黒の意思」なる新概念が登場し『ジョジョ』が青年誌へ移行したことを実感した。しかしこれも上記の「己の運命と戦う」という観点で見ればやはりこれまでの流れを維持した上に置かれたテーマでありジョニィが己のエゴとどう向き合うのか終盤はハラハラしましたよね。あのへんリアルタイムで読んでて大統領の説得シーンはマジで手が震えた思い出ですよ。
  • という流れで現在の第八部を考えてみると、第七部でリセットされてもなおこれまでのジョジョが「ジョースター一族の物語」であったのに対して『ジョジョリオン』では主人公がそもそも何者なのか分からないという非常に不安定な状態からスタートする異様な状況だったわけですよ。正直タマが4個よりこっちの状況設定のほうがよほど衝撃的である。しかし見方を変えるとこれって、たとえ記憶を失ったとしても自分自身からは絶対に逃げられない的な状況なんですよ。むしろより根本的な「己の戦い」に踏み込んだとさえ言える。言えます(断言)。言えるんじゃないか(不安)。まあわたくしはそんな感じで読んでます(説明放棄)。あと康穂ちゃんとつるぎの関係はおねショタって言うんでしょうか(関係ない)。
  • というわけで長々書きましたが大体そういうテーマがあるんじゃないかと頭の隅に置いたうえでジョジョを読むと色々発見がありますという話でした。ジョジョは第四部以降からストーリーもスタンド能力も複雑になった感があるがあれこれ頭を使って読むのも楽しいものである。今後また何か思いついたら日記に書くかもしれないが実は今日のこれも第六部完結あたりからずっと考えていたネタなので(そうでなかったらこんなに短くまとめられない)次に書く機会があっても数年後かもしれぬ。というわけで皆それまでに第一部から最新刊まで読んでおくように(急に理解のハードルを超上げる)。