解説
DLC『Echoes of the Eye』のプレイ日記。DLCパート全編のネタバレを含みます。
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このページは『Outer Wilds』とDLC『Echoes of the Eye』のネタバレを含みます。ゲームをクリアしてからご覧ください。
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(公開:2021年10月31日)
目次
プレイ日記目次:はじめに/ 第1回/ 第2回/ 第3回/ 第4回/ 第5回/ 第6回/ 第7回/ 第8回/ 第9回(最終回):その1:その2:その3:その4/ 全体目次・おまけ考察/ 挿絵まとめ
20211009(その5): おまけ:最後まで残った謎・スライドリールの意図について(仮)
おまけ:最後まで残った謎・スライドリールの意図について(仮)
- 注意:ここからの文章は完全に思いつきの産物なので一切真に受けないでください。クリアしても明かされなかった謎について自分なりに考えてみて一応こういうものが浮かんだという程度のものです。確実に間違ってるとは思うけどどう考えたかの記録として載せておきます。
夢の『眼』のシンボル
- DLCをプレイしていて気になっていたのに最後まで謎だった件。作中に登場した数々のスライドリールはなぜ焼かれずに残っていたのか? 誰があれを残したのか? あのデモニックなノリのスライドリールは何だったのか? 保管庫のパスコードを厳重に隠しておいて結局焼いてしまったのはなぜなのか?
なぜ火炎放射器の火は木の壁や床に燃え移らないのか?そういう話です(最後のだけはウソ)。 - 思いついた発端はクリア後に航行記録の足りないところを埋めに行ったときでした。といっても足りなかったのは1箇所だけだったのですぐに済んだ。それは夢の世界の塔のエリア、双方向のイカダに乗って進んだ先にある焼けた建物跡。攻略のためだけならそこの手前まで行けば良かったから探索が漏れていたようだ。イカダの周回ルートから視認はしてたけどそれだけでは記録に残らなかったのね。
- 以前イカダから見たときにも少し気になっていたけど、どこもかしこも美しく作られている夢の世界の中になぜこんな焼け焦げた廃墟があるのか? 最初は夢の世界は夢の世界だと思っていたから現実を反映している部分もあるのだろうと解釈していたけど実際はそうではなかった。夢の世界、模擬現実にあるすべてはプログラム的に作られたもので、つまりすべてが人工物だ。誰かがそうしようと思って存在させたもの以外は存在しない。
- イカダから焼け焦げた廃墟に降りる。うーん焦げとる。しばし見て回ると、なんと壊れた『眼』のシンボルが落ちていた。しかもミニチュア版。ということはこの場所はやはり現実にあった『眼』の神殿(仮)の再現なのか? でも模擬現実を作った頃のツノ人にとっては憎むべきものでしかないはずの神殿跡地をなぜこんなところに?
- 奥の出入り口から出てみるとツノ人の望遠鏡があった。これは例のデモニック隠しスライドにも出てきたな。片角さんの牢屋にも望遠鏡があった。最後のビジョンでも唯一の荷物として持ってきたのだからきっと大事なものだったんだろう…いかん思い出すと泣く。しかし冷めたことを言うようだが夢の世界で星空を観測する意義はあるんだろうか。雰囲気を楽しむだけでは。こんな場所にぽつんと置いてあるのもよく分からん。
- …といったものを見てからしばらくぼんやりしていたら妙な考えが頭に浮かんできた。夢の世界のものはすべて人工物。誰かの意思で作られたもの。DLCの物語、というか攻略は終盤に行くほど「ここに行け」「次はここね」の連続だった(※わたしのプレイ順の場合)。各地で見つけたスライドリールの内容がそんな感じだったからだ。スライド、あるいはビジョンの内容に従っていくうちに保管庫の中に行き着いた。この流れ自体が誰かの思惑によるものだとしか思えない。でも一体なんのために?
- 思い返してみればツノ人の身に起きた物語を映し出したスライドリールだって、なぜあんなふうに残されていたのか。ツノ人は夢の世界に去った。スライドは模擬現実にバックアップが取られていた。現実に残しておくべきリールは本来ならひとつもなかったはず。まるで後からやって来た誰かに見せるために残しておいたみたいだ。しかも「見てほしいけど見てほしくない」くらいの奇妙な温度感で。
- またダラダラ長くなってもアレなので結論から言うと、あの一連のスライドリールは片角の人=囚人を助けようと思ったツノ人が残したものだった。しかし最終的には救出を諦め、パスコードを焼いた。…という仮説を立てたので以下にその根拠(と呼べるほど立派なものではないが)を箇条書きで書いていきます。間違っている予感しかしないので異論・反論あると思いますがこの件に関してはわたしもまだ考え中なので一旦心にしまっておいてください。また何か思いついたら雑談コーナーに書きますが現時点での考えを記録しておく。
前提
- 前提1:模擬現実、および『流れ者』にあるものはすべてが人工物であり、誰かが意図してそう設計したものである。
- 前提2:すべてのスライドリールは作中の人物が意図的に制作・配置したものである。
- …つまりゲームシナリオ上の都合だよそんなの、といった考え方をなるべく使わずに作中の物事を読み解いてみようということです。
- ※正式名称がないので、このコーナーでは各スライドリールを以下のように呼びます。
- 「物語のスライドリール」=ツノ人の身に起きた顛末を描いたスライドリール(全4巻+完全版)
(第1巻:母星のスライドリール/第2巻:『眼』のスライドリール/第3巻:遺物のスライドリール/第4巻:保管庫のスライドリール) - 「デモニックなスライドリール」=スライド焼室に隠してあったやつ(全3巻)
- 「施錠のスライドリール」=保管庫にロックをかけた記録のスライドリール(全3巻)
- 「丸窓のスライドリール」=ツノ人たちが丸窓の建物に入っていく記録のスライドリール
- 「遺物実験のスライドリール」=遺物の研究所にあったやつ(全1巻+完全版)
- 「エラー報告書のスライドリール」=禁断の記録保管庫にあったやつ(全4巻)
- 「物語のスライドリール」=ツノ人の身に起きた顛末を描いたスライドリール(全4巻+完全版)
疑問
疑問1:夢の焼失した建物は何のために存在するのか?
- 現実で起きた出来事を忘れないようにするため?
- →たぶん違う。むしろ積極的に忘れ去りたい出来事のはず。「現実逃避」のために模擬現実を作ったのにそんなものを作る理由はない。
- あそこは片角さんの家だった?(=元々は普通の住居で、信号解放事件の後に制裁として焼かれた?)
- →ありそうだが、現実とは違いわざわざ「焼いた家」のグラフィックを用意して差し替えた(もしくは住宅火災をシミュレーション上で再現していた)ことになるので若干のバカバカしさがある。データ的に更地にも出来たはず。
- あそこは片角さんの家で、見せしめのために全焼した状態で残している。
- →これも無くはないが、そうなると「見せしめ」をしなければならないような人物がツノ人の中にいたことになる。
- 別の疑問:そもそも『眼』の信号を遮断する決定は彼らの総意だったのか?(↓下に続く)
疑問2:なぜ焼失した家の中に壊れた『眼』のシンボルがあるのか?
- あれを夢の世界で表示するには『眼』のシンボルのグラフィック的なデータが必要。だけどそんなものが(模擬現実の製作中に)『眼』を憎む誰かに見つかったらえらいことになるのでは?
- →やるとすれば単独では無理(隠蔽のための協力者が必要)。そしてデータを用意したのは模擬現実を開発したツノ人の誰かということになる。
- 思いつき:模擬現実の開発者の中に『眼』の隠れた支持者がいた? しかも複数人?
- 消失した建物は片角さんの家ではなく『眼』の支持者が密かに作った夢の『眼』の神殿だった可能性もある? 隠れキリシタン的な。
- 望遠鏡を『眼』発見に関わるアイテムとしてある種の信仰的なシンボルと考えることもできる(妄想)。
- ※片角さんが開発者の一人で『眼』のシンボルのデータを作った本人という線もあるが、上記の理由で単独でデータを守り通すのは難しいと思う。
- 『眼』のシンボルが壊れた状態でも残っているのは、壊れていてもシンボルはシンボルだから?
疑問3:そもそも『眼』の信号を遮断する決定は彼らの総意だったのか?
- 片角さん以外にも片角さんと同様の考えを持つ人(『眼』の支持者など)がいたからこそ囚人への罰が苛烈なものになった可能性は?(それこそ見せしめとして)
- 信号妨害装置搭載宇宙船のインターフェースを焼いて操作不能にしたのは同様の事件を繰り返さないため=同じようなことをするかもしれない(と見なされていた)人物がいた?
- 信号停止後に片角さんがすぐに捕まったのは不審な動きをしているとして目をつけられていたからなのかもしれない。
疑問4:なぜダイヤル錠のパスコードを隠したのか?
- そのへんに置いておいたら誰かに処分される可能性があったから?
- 上記の宇宙船インターフェースを焼くような人がいたのだから警戒する理由は十分にある。模擬現実側にバックアップを用意したのもそれが理由?
- 少なくとも信号解放事件のほとぼりが冷めるまでは隠しておく必要があったのかもしれない。
- 信号を解放してしばらく経っても何も起きなければ囚人のしたことがそこまで重大ではなかったと思ってもらえる可能性もあった。
- でも最終的にバックアップもデータ削除されているのは…(これに関しては後述)
疑問5:物語のスライドリールは誰が何のために作ったのか?
- ツノ人一族に起きた悲劇を後世に伝えるため?
- →これから『眼』によって宇宙が滅ぶかもしれないのにそんなことを考えるだろうか? 伝えるべき子孫もいないのに。第三者の存在を想定しているとも思えない(クローキングフィールドに隠れているのに誰が来るというのか?そんな物好きがいるか?)。
- 遺物のスライドリール(第3巻)に片角さんがほぼ全シーンに登場しているのはなぜ?(参考:冒頭/スライド鑑賞/
模擬現実の創造(※登場なし)/眠る前)- →物語のスライドリール製作者は囚人寄りの考えを持つ人物だったのかもしれない。第1巻~4巻を通して見ると「ツノ人一族に起きた悲劇」「囚人に起きた悲劇」の2つの物語が見えてくる。その両方を残したいと思った者がスライドを作った?
- スライドの製作者が囚人=裏切り者の悪党と思っているなら故郷を思って嘆く片角さんの姿を残すだろうか?
- モブキャラの一人とかならまだしも画面の結構真ん中にいるし。
- 補足情報:1巻~4巻まで同じ巻数表示があるので後から追加された巻とかはないはず。主人公のビジョンは当然除く。
仮説
※番号は仮に割り振っているもので上記の疑問の番号とは対応してません。無関係。
仮説1:囚人を解放しようと画策したツノ人が少数だが存在した。
- ※その人物たち(上記の理由で複数人)を仮に「解放者」と呼びます。
- 見えない橋や隠し通路を用意できたことから、解放者は模擬現実の開発者側の人物である可能性が非常に高い。
- エリア移動中にイカダを降りると地底湖に落ちる「エラー」によって、どのエリアからでも囚人に会いに行ける経路を用意した。
- 解錠されていなくても少しだけ隙間が開く設計になっているのは隙間越しに囚人とコミュニケーションが取れるようにするためだったのでは。逆に言うと完全に閉じ込めておくつもりだったなら隙間を開けられるようにしておく意味がない。
- 地底湖から元のエリアに戻る経路が必要だけど、開発者しか使えないルートかなんかがあればどうにか…(←ここは根拠が本当に思いつかなかった。すまん)
- ※ただし『覆われた森林地帯』にある2軒の家の中からツノ人がどこからか出現する場面もあるので、イカダ以外にもエリア間移動の手段があったらしいのは事実。なお死んでいなければ当然移動は可能。解放者が完全に「眠りについた」場合にどうするかが問題。
- エラー報告書のスライドリール(御老人が亡くなった件と警報装置の件は除く)は「不具合だけど修正できませんでしたすみません」という名目でそれらの不具合を残すためのカモフラージュだった。実際は不具合なんかではなく最初からそういうことが出来るように設計していた。
- 禁断の記録保管所の場所は一般のツノ人には隠されている。その存在と行き方を知っているのは模擬現実開発者など一部のツノ人のみだと思われる。
仮説2:デモニックなスライドリールは他のツノ人たちが夢の世界にいる間に準備した。
- 開発者側の人物ならメンテナンスその他の理由をでっち上げれば抜け出しても疑われにくい。なんなら不具合を自分で演出することすら可能。
- 隠し場所にスライド焼室を選んだのはあの部屋がある意味廃棄された場所=誰も近付かない場所だったから。
- かなり想像:峡谷の焼きスライドリールの建物は元『眼』の神殿だったっぽいのもあるし解放者の隠れ家的に利用されていた可能性もありそう? 夢の世界の焼けた建物も人が出入りしそうにないから密談するのに良いかも(更地にしなかったのはそれが理由?)。頻繁に出入りしたら疑われる? 望遠鏡で星を見に来てるだけですよ。
- 模擬現実側にデモニックなスライドリールが存在しないのは夢の世界のツノ人たちに見られたくないから。見せる理由がない。
- 補足:保管庫の隙間で見られるヒントのビジョンは何だったの?
- 片角さんがビジョントーチで見せてくれた説。理由は不明。
- 解放者以外が隙間を開けたときはあの映像が流れるように設定してあった説。
おまけの疑問:なぜデモニックなスライドリール(およびそれらの隠し場所)の絵が悪そうな雰囲気だったのか
- 解放者は自分たちを囚人同様に一族の裏切り者=悪だという立場を取っていたから?
あるいはスライドその他を作った人の趣味。 - スライドリールの隠し部屋のドアが自動的に閉まる設計だったのは解放者(もしくはその賛同者)以外に見つかったらまずいから。これに関しては趣味とか関係ない。
- デモニックツノ人が保管庫の印から光を吸い取っているような絵だったのは保管庫のロックを解除してやろうという意思の表現?
- ※実際ロック解除後はダイヤル錠の印のライトが消える。
- デモニックツノ人が3人描かれていたのは解放者が3人組だったから?(安直)
- ただし遺物のスライドリール冒頭で『眼』の星系を見たまま立ち去らなかった人物が3人いるなど気になる点はある。デモニックなスライドリールおよび保管庫の隙間から見られるビジョンでは2人組のツノ人が協力して隠し経路を突破していたので、この人物たちが解放者だとするなら最低でも2人はいたことになる。
- ちなみにツノの形から判断すると、デモニックなスライドリールに登場するツノ人(保管庫の容器を受け取った側の人)はすべて同じ人物だと思われる(※3番目だけ暗くて片側のツノしか判別できず)。隙間ビジョンは別の人。
- ※なお映像が絵のスライドリールでツノの形から人物を判断するのは止めておいたほうがよい(使いまわしが多いので)。
仮説3:物語のスライドリールを焼かずに残したのは解放者。一部焼いたのも解放者。
- 物語のスライドリールが一部焼かれているのはすべてのスライドが処分されないようにするため。
- ほとんどのツノ人は悲劇を忘れたいと思ったからこそ自分たちの過去を焼こうとした。気に入っている記録だけ残せばよい。
- スライドリールを残す動機があるのは過去を忘れてはいけないと思っている者だけ。しかしスライドを処分しようという当時の気運に逆らうことはできなかったので、あえて一部(一族にとって都合の悪い過去)を焼くことで現実からの完全消失を防いだ。誰が見るかはともかく残す行為に思想信条的な意味があったのかも。
- 『燃え殻諸島』にあった片角さんの肖像画は何者かの手によって顔が消されている。保管庫のスライドリール(第4巻)でも囚人の登場部分はすべて焼かれているが、一方で遺物のスライドリール(第3巻)には片角の人物が堂々と登場している。スライドリールの一部を焼いたのが囚人に同情的だった者とするなら登場箇所をそのままにしたのは筋が通らないでもない
(あるいは火炎放射器で片角さんの部分だけ焼くのが難易度高すぎて諦めた)。 - ※保管庫のスライドリールは都合上抹消せざるを得ない内容ばかりだったので構造物のシーン以外は焼くしかなかった。なお模擬現実側のバックアップ(※片角さんが見せてくれるビジョン版ではない)はそれとは別の事情で消去された可能性がある(後述)
- 補足:遺物実験のスライドリールの一部が焼かれた理由と完全版が密かに保存されていた理由を考えると上記の件の理解の助けになる。「犠牲者を出したことを無かったことにしたい」「犠牲者を出したことを忘れてはならない」
- 余談:保管庫のスライドリールがいつ作られたのかは微妙に謎。
- 保管庫のスライドリールが片角さんが囚人になった後に作られたのは確実だが、構造物を沈めた後に行われたスライドリールの大量焼却処分では母星のスライドリールを一部焼却している場面がある。(前述の通り)物語のスライドリールには後から追加された巻は無いはずなので(焼却シーンを拡大してみても1~4巻分の表示は一応揃っている)、構造物の水没と大量焼却処分の間にそれなりの期間があったことにしないとおかしなことになる。
- 片角さんは保管庫のスライドリールの内容を完璧に知っているが、もちろん本人がこのスライドリールを現実で見るのは不可能(保管庫から出してもらわない限りは)。いずれにせよ誰かに見せてもらう必要がある。
- ※片角さん本人が制作に関わった可能性も無くはない(前の3巻がツノ人の種族全体に起きたことの説明であるのに対して、保管庫のスライドリールの焼失部分はかなり主観的な描写である)。ビジョントーチで隙間越しに映像を見せれば協力者経由で現実でスライド化することは可能なはず。
- ものすごく余談:スライドリールを焼くシーンで燃やされている母星のスライドリールはリールが一部途切れている(Cの型)が、実際にゲーム内で見られる同スライドリール(※河川低地の建物にあるやつ)は途切れていないリング型である。謎。
- 施錠のスライドリールを作った理由はよく分かりません。単なる記録映像?(一応解錠のためのヒントではある) ちなみにツノの形から判断すると出演者は1~3巻まで全員別人。3巻の人は丸窓のスライドリールに登場した人とツノの形が同じだが関連は不明。
- 念の為の補足:禁断の記録保管所の背景の棚にあるスライドリール(プレイヤーが手に取れないやつ)はよく見るとデモニックなスライドリールや保管庫のスライドリールのテクスチャが使用されているものもありますが、これに関してはグラフィックの使いまわし的なやつだと考えたほうが妥当なので考察材料からは除外します。
仮説4:最終的に、解放者は囚人の救出を諦めた。
- ※このあたりは状況証拠というか実際片角さんは閉じ込められたままなのでそういう結論にせざるを得ない。
- 諦めた理由は不明だがおそらくは恐怖のため。目論見が露見したときに囚人と同じかそれ以上の目に遭わされることを恐れたのではないか。
- あるいは計画の途中で囚人の肉体が死亡したために救出の意欲を失った。
- ツノ人のコミュニティには戻れないにしても生きてさえいれば他にも道はあった。『流れ者』内で隠れ暮らしてもいいし、『流れ者』出入り口にある小型宇宙船で『眼』の星系の天体に出てもいい。木や川があって暮らしやすそうな惑星があればそこでひっそりと余生を送ることも出来ただろう。
- だが模擬現実でひとり隠れ暮らすのは夢の独房で過ごすのとどう違うのか?
- 囚人を夢の保管庫から出すことより、囚人の名誉回復をしてツノ人社会に戻すことのほうが困難だった。
- ほかの仮説:
解放者も囚人も全員カナズチで、構造物の下の穴から出入りできなかった。- 構造物を水に沈める設計にした理由が「片角さんが泳げなかったから」だったらイヤすぎる。
- いざとなったら火室の火を水で消せるようにってことだったのかもしれないけど、ダム決壊イベントのときに一時的に水位が上がって水がコンロにかかっても火は無事なんですよね(確認済み)。
- そもそもツノ人って泳げるの? 見た目的には泳ぎが上手そうな感じはしない(失礼)。ちなみにフクロウ科の鳥は一応泳げるらしいです。へー。
- 解放者はダイヤル錠のパスコードを焼いた(データを消去した)。
- 囚人を助けられなかった罪悪感から、囚人を解放する者が現れることを逆に恐れるようになった。
- 解放者は自分たちが裏切り者であることを忘れることにして、一族の輪の中に戻った。
- ゲーム内で保管庫のスライドリールのバックアップ版が結局見つからなかったのは解放者に処分されたせいなのかもしれない。解放者にとっても囚人は忘れ去りたい記憶になった。裏切り者なんて最初から存在しなかった。
- ただしパスコード以外の証拠隠滅はしなかった。そのため第三者が保管庫に行き着くためのヒントだけが残った。
- ★その結果としてDLCの謎解きが中盤以降リニア的になった。すべてのヒントは保管庫に通ず。
- 本気で囚人へ行き着く経路を塞ぎたかったら夢の火室のエレベーターを撤去するか穴を塞げばそれで済むが、そこまではしなかった。パスコードを消去するほうが簡単で確実。
- 囚人への罪滅ぼしの意味もあったのかもしれない。救出までの道のりを残すことによって、いつか誰かが真実に到達する可能性を未来に託した。それがゼロに近い確率でも、「救出できるかもしれないルート」を残すことに贖罪の意図があった(※繰り返すが全部想像です)。
- 施錠のスライドリールを各地に配置したのは、これだけ厳重に保管しているなら中に何かいいものがあるのだろうと第三者に誤認させて「宝探し」をやらせるつもりだった…この案はないな。最後に死ななきゃならないんだから。
仮説5:まさか命を捨ててまで囚人のもとへ行こうとする者が現れるのは誰にとっても想定外だった。
おわりに
- …という感じなんですがいかがでしょうか。囚人を助けようとした何者かの意図が途中で途切れて一本の糸のように残された結果が終盤の一本道的展開だったと。正直これだけ穴だらけの仮説を人様に見せるのはどうかとも思ったが
普段からやっていることも別に大差ない気がする間違っていたらどうしようという恐怖を乗り越えるのもこのDLCに対する礼儀かと思い公開に至った。 - ざっと思いつく反論としては
- そもそも「囚人を解放する」がどのレベルを指すのかが不明瞭。命を救う?夢の世界での中の自由?名誉回復とコミュニティへの復帰?
- (協力者がいたなら)現実の保管庫の鎖切っちゃえば回りくどいことなしに物理的に開けられるのでは?(これはマジで何度も思った)
- 開発者なら囚人専用の抜け穴を残せばそれで済んだのでは?(解放者以外の開発者に知られたら終わりだからこの反論は無し)
- 作中に出てこない移動ルート(※地底湖から別エリアに出る方法)を持ち出すのはルール違反では?(推理的な意味で)
- 上の仮説がはっきりと「こうだ!」と言い切れない理由のひとつとして、ツノ人たちの行動・感情諸々が極めて人間的というか、きっぱり一貫性のある行動をしているようには見えないのが大きい(※個人の感想です)。『眼』を恐れ、自分たちがしたことを恐れ、すべてを忘れようとして忘れきれない。そんな不安定さが見て取れる(※個人の感想です)。
- それでもあえて彼らの気持ちを簡潔に表現するなら「罪悪感」が一番近い言葉ではないかと思った。『眼』に行くために自らの手で故郷を損ねた罪悪感。行き場のない負の感情を仲間のひとりに押し付けた罪悪感。(上の仮説の件も含めるなら)囚人を助け出せなかった罪悪感。『眼』の神殿を焼いた前後の行動は集団パニックに近かったのではないか。当時の冷静さを失った行動が後々まで遺恨を残した。ツノ人たちがもっとも恐れたのは『眼』ではなく自分たちの恐怖心そのものだったのかもしれない。
- 以上です。