解説
雑談考察の4ページ目。2021年3月以降分。
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(公開:2020年8月18日)
目次
20210304/ 20210310/ 20210317/ 20210324/ 20210401(隠しページ追加)/ 20210408/ 20210415/ 20210422/ 20210429/
20210304
- 小ネタ:Hearthianもこの数の数え方(※画線法と言うらしい)(スクショは探査艇内のなにかの機械)をやるのかと思ったがよく見たらなんか違う。なんだこれ。
- メールフォームから『眼にワープした後、母艦が直っているのはなぜか』というご質問をいただきました。面白そうな疑問なのでこっちで回答します。確かにワープ後はなんだかキレイになったように見えますね、『船』。浮いてた植木鉢の配置も変わってるし(※単に動力源が戻って重力制御が再稼働しただけならそのへんに転がったままのはず)。なによりワープコアの残骸のところにいたNomaiの骨も消えてるし(1階にあるNomaiのレコーダーは元から動いていた…はず)。ただ一方で、『眼』に降り立ったあとシグナルスコープで『船』を拡大してみると実は外に空いていた穴はそのままだったりして、つまりよく分かりません。どうにかこじつけてみるなら、『眼』に到達した時点で『船』が量子物質で再現されたものに置き換わっている、くらいしか思いつきません。『眼』に知的生命体の記憶を読み取る能力があるとするなら『船』の乗員たちの記憶もどこかの時点で読み取っていた可能性はある。闇のイバラからの避難後に量子のかけらに接触した元乗員のNomaiは何人もいるし。過去の『船』と現在の『船』(※CannnaがNomai再集結を訴えた通信ログ等含む)の情報を合わせたらああなった、と考えることはできますが正直なんでもかんでも量子物質のせいにするのはいかがなものか。というわけでもう少し考えてみます。メールありがとうございました。
- 脆い空洞のほうの『眼』の祭壇にあるNomaiたちの考察の中に
「宇宙図書館のようなものかもしれない!(Perhaps it is a cosmic library!)」
という記述がありましたが、これはおそらくNomaiたちにとって価値のある情報の宝庫的な意味合いだと思うんですけど、先日のデタラメ『眼』考察で想定していたのはもうちょっと無機質というか無作為かつ手当り次第になんでも溜め込んでるデータ置き場くらいの感覚で書いた。例えるなら検索エンジンのクローラーとキャッシュ的なイメージ。『眼』の空の穴に飛び込んだ者(=意識的観察者)はそれらのデータ群に対して『意味付け』あるいは『重み付け』するような役割があったのかもしれん。全部憶測。 - ここまで書いて「『眼』自身が意識的観察者を直接的に生み出すことはできないのか」という発想が浮かんだが憶測に憶測を重ねることになりますので一旦放置する。
- そういえば『眼』に到達したあと(※『船』から出て例の場所まで行く前)にメニューからゲームを終了→再開すると何事もなかったかのようにループの最初に戻されるんですが、これに関しては堂々と「仕様です」と言うしかあるまい。先進的ワープコアを取ったあとアンコウに食われてもそうなるが、死亡以外にもループ仕様との矛盾が起きる状況があるというお話でした。
- 素朴な疑問:毎回ループ開始時はキャンプ地で目が覚めるところからスタートしますが、これは偶然22分のループ切り替え後に睡眠から覚醒していたのか、それともループ時の記憶の上書きによる影響でハッとして起きているだけなのか。前者だとすると実は結構な主人公補正ではないか(そうか?)。
- …というのはもちろんジョークですが、同じくループ仲間のGabbroは探査艇が海上にある状態からのスタートであることを考えるとあながち言い過ぎとは言い切れない可能性も否定できない雰囲気はあります。もし他のキャラクターに交代しながら進行するタイプのゲームだったらキャラセレクトによってはなかなかのハードモードになっていたはず(参考までに、ループ開始後にGabbroの探査艇があるのはこのへん)。翻訳ツールは主人公しか持ってないしな。目覚めた瞬間に探査砲の発射を毎回見ることになるのも実は大ヒントだったわけだが、ループに巻き込まれたHearthian2人がどちらも必然的に探査砲に関心を持つような状況にいた(※Gabbroの場合はループごとに空に閃光を見ている)のはなにか不思議な感じがする。
- 建造ヤードにある機器の中に探査機を発射した時間を表示するものがありますが、この機器をループ最終盤まで観察していると、表示時間が約20分50秒になったあたりから例のBGMが流れ始め(約21分59秒で終了)、約22分5秒頃に太陽が崩壊する音が聞こえて約22分12秒前後から空が暗くなり、そして約22分27秒前後に光が降り注ぎ、約22分33秒以降に巨人の大海が爆発に巻き込まれる。ということが分かる。つまり『22分のループ』とは厳密に言えば『太陽が崩壊するまで22分』のことで、厳密にはその後にアディショナルタイムがある(アディショナルタイムではない)。プレイヤーがループ開始後「起きる」のボタンを押してからの時間をストップウォッチ等で測るとこの機器と大体同じくらいの時間が表示されるので(※オプションで翻訳中の時間停止設定をオンにしていると影響を受けるため注意)、主人公の主観時間的にもその解釈で合っているはず。もっと言うなら爆発が各天体に届くまでにも秒単位の時間差があるため、プレイヤーにとってのループ時間は『どこで死亡するか』が必ず影響する(※どこで=具体的には太陽からの距離)(念のため書いておくけどループ途中で死ななかった場合の話ね)。『22分』はあくまでNomaiたちが設計した理論上のループ時間であって、より正確には『約22分のループ』と言うべきだが、そんな細かいことを言ってどうなるというのだ(急に全部ひっくり返すな)。もっと細かいことを言うなら翻訳ツールが翻訳したテキストを画面に表示するまでのタイムラグも考慮に加えるべきだとかどんどんキリがなくなるのだ。
- ところで探査砲の発射プロセスには「発射命令」→「ランダムな方角を設定」→「砲の向きを変更」→「発射」の流れがあるはずだが、プレイヤーが目撃するのは砲の向きが変わった後の状態であるから、上記の「主人公は偶然ループ切り替えのときに目覚めているのか」仮説は「切り替え直後じゃなくてちょっと後」が正しいことになる。記憶のロード画面(Nomaiの仮面が出てくるアレ)の間に砲の向き変えてるのかな。目覚めた直後に瞑想始めると10秒しないくらいで終わっちゃうけど…(そこまで考えるな)。
- 主人公は超新星爆発で死亡した後は「あー、よく寝た」みたいな感じでフワーッと起きるのに、量子の月の第6の場所(あるいは太陽よりかなり遠くにいるとき)にループ終了を迎えたときは事故死したとき同様の「…ハッ!」という起き方になるんですが、なんていうか感覚的には逆じゃないですかね? 太陽に突っ込んで死んだあとが「…ハッ!」なのは分かるけどさあ。もちろんわたしはどっちの体験もしたこともありませんから文句を言える立場ではないですけど…。後者はなんかモヤモヤしたエフェクトが出て終わる(※画像上は第6の場所、下は太陽系ギリギリ内側)が、たぶんあの時点でループの切り替えが起きてますよという画面演出だろう。リアクションに違いがある理由は「死んではいないけど急に意識が切り替わってビックリする」的なことなんだろうか。あれだ、寝ているとき、夢の中で階段から足を踏み外してガクッとなって起きて一瞬夢と現実の区別がつかなくなるやつみたいな…こんなことまで考察する必要ある???
- ところで実際『宇宙の眼』には超新星爆発の影響はどれくらいあるのだろうか。ゲーム的な都合かもしれんが、プレイヤーが『眼』に着いたあとは太陽の爆発を目撃してから数分経ってもなにもありませんから(ないよね?)実際『眼』にいるときの主人公がどういう状態なのかは我々が知ることはできない。
- 軌道探査砲はたまに巨人の大海に向かって探査機をブチ込んでいるときがありますが、もちろんゲームの仕様上は貫通して向こう側に探査機が飛んでいくだけですけど、あの至近距離から最大威力(に近い)の砲撃を受けたら実際どうなるんですかね。クラゲが心配。それならまだしも、もし灰の双子星に探査機がぶつかって万が一何かあったら、と考えるとやっぱりヤバい計画だったんだなと…。
- ループを止めるために記憶の像を使う案の具体的な実装が「とりあえずプロジェクト関係者がいそうな場所すべてに像を設置しておく」だったのも今思えばじわじわ来る。地味に力技じゃないかそれ(子どもなどが誤ってペアにならないような設置場所を選んだ可能性はあるが、数が多すぎない?)。Yarrowに像の出来を褒められたPhloxが張り切ってたくさん作っちゃった説も否定はできない。
- 『宇宙の眼』について、もうひとつ「あの『宇宙の眼』自身も実は巨大な「量子の月」のようなもので、更に大元の超巨大な『宇宙の眼』がどこかにいる」という説を思いついたが、妄想の域を出ないので放置する。
20210310
- 物理法則に違反しない「新しいワープドライブ航法」が提案される - ナゾロジー/ワープできるようになっても座標が分からないからなあ…(どこに行くというのだ)。
- 起きた直後、でかい量子の月が目に飛び込んできて少しおどろいた。
- 巨人の大海にある島の焚き火でうとうとすると、島が打ち上げられたときに強制的に目が覚める。ということは、寝ているときと瞑想しているときでは意識レベルにかなりの差があることになる(ジョーク)。ついでに目覚めた直後に焚き火で寝ていると20分50秒あたりで急に目が覚めて(そして数秒遅れで例のBGMが流れる)、それ以降はマシュマロを焼く選択肢しか出なくなる。仕様である。
- もし『Outer Wilds』がEpicGames時限独占でなかったら少なくとも今よりはもうちょっとだけメジャーになっていたかもしれないが、しかしプレイ人口が増えれば増えるほど賛否両論度も上がる性質の作品であるのは間違いないので、今のように時間差の口コミ(操作性とか「酔う人はすっごい酔う」等の事情説明込みの)で広まるくらいのほうがむしろ良かったのだろうか、と考えてもしょうがないことを考える。特に『Outer Wilds』は要素追加アプデとかが難しい作風だし(例えば『No Man's Sky』のようなレビュー評価逆転劇がやりにくい)(謎解きの難易度調整はあったらしいが)。なお時限独占の制度は開発者にとって良い面もあるから必ずしも否定するものではない。ともあれSwitchへの移植が決まったのはめでたいことである。
- 量子の月の塔(祭壇)を建てる以前のNomaiはどうやって月と月の間を移動していたのだろうか(妙な書き方だが別の表現が思いつかん)。実はちょっと目を閉じているだけでも移動できたりして。主人公が目覚めたときにまばたきをする(※前ループで怖い死に方をしたときの演出)と量子の月も動くし……えーと、つまり逆に考えると、そういう演出のとき以外では実は主人公は一切まばたきをしていなかったということ……?(深く考えてはいけない)(量子の月の上にいるときは判定のしきい値が変わるんだよ多分)(全部「仕様です」で済ませるのはつまらないから色々考えて遊んでるだけですので気にしないでください)
- そういえば量子の月の塔というか祭壇(日本語の感覚でいうとあまり祭壇らしくない気がするが英語でも
「Shrine」
なのでそう言うしかない)、超新星爆発の時間が近づくと祭壇自体が何度まばたきしようがワープしなくなるんですが、これはまあ仕様ですよね。移動先が爆発に飲み込まれた後ならまだしもその前にワープできなくなるのは説明がつかないし。 - もし爆発のタイミングでワープしたり(Nomaiの装置、量子のかけら等)、ブラックホールに飛び込んだりしたら何が起きるのか試そうとしてみたのは私だけではないはずだ。
- 宇宙嫌いのHearthianのTuff、『宇宙の眼』探索よりも新しい船で旅に出たいと書き残していたNomaiのIlexなど、皆が熱狂(?)している対象にそこまで関心がない(もしくは嫌いな)タイプの人がいるの、最低限の描写ではあるけどこういう要素があると作品世界に奥行きが出るなと思いました。Ilexは「小さい子たちはアンコウのゲームで目隠ししなくてもよい」と書いていた子でもあり、各地に残されたNomaiの記録もただのヒント用オブジェクトじゃなくて生きた人(Nomai)が書いた言葉なんだな…といった雰囲気が出てて好きですね。
- 脆い空洞の量子の祭壇には食事中に亡くなったらしき人たちがいたり、祭壇の近くに食堂みたいな場所があったりするので、あの場所では食事中の雑談レベルで日常的に『眼』について語り合ったりしていたのかなと想像するが、記録に一切名前が出てこなかったNomaiたちが『眼』に対してどういう思い・考えを持っていたのかはあまり想像できない。空中都市の祭壇にある記録は比較的楽観的、太陽なき街の記録は比較的悲観的(現実的?)な傾向があるような印象を受けるので、そのあたりで派閥のようなものもあったのかとか考えちゃうけど、いずれにせよ妄想の域を出ないのだ。『太陽なき街』はその名の通り日照量の少なさから来るセロトニン不足でテンションが低かったのかもしれない(ジョーク)。
- 「祭壇」といえば、NomaiやHearthianの宗教観というかそもそも宗教的なものがあったのかまで考え始めるともう何がなんだか分からなくなりますので意図的に考えないようにしている。以前書いたが、性別がないはずのHearthianがNomai語の「彼」「彼女」の概念を普通に理解しているっぽい件は説明がつかなくもないけど「祭壇」は前提に『宗教』の概念がないと「なんかそういうものがあったらしい」以上の理解は難しいのではないか。Hearthianには埋葬の習慣はあるようなのでそういう方面の概念がまったくないわけではなさそうだが。
- Hearthian村にあるお墓の墓石にはクラウドファウンディングで本作の開発資金を提供してくれた方々のお名前が刻まれているが(参考)、よく考えたら支援者を墓に埋めるというのはなかなかサイコな仕打ちではなかろうか(リワード一覧に
「Name on a Tombstone」
とキッチリ書いてあるのがまた笑いを誘う)。『リンクの墓』
とか『フリオニール ここにねむる』
みたいなものだと思えば逆に名誉かも?
20210317
- 家の中で安らげる“焚き火ガジェット”。リアルな炎と音を再現、息を吹いて点灯 - 家電 Watch/ちょっと欲しい。
- 博物館にいる小さいアンコウ、展示品とはいえ動いてるから生きてるんだろうけど、だとすると村の誰かが世話をしていたりするんだろうか。エサは何を食べるんだろうか。名前(個体名)はあるのだろうか。考えてもしょうがないことではあるが、エンディングの謎空間バージョンの博物館にもアイツがいる(死んでるけど)のは事実だからちょっと気になってしまうな。もしかしたら次の宇宙にもアンコウがいたりして…………次どころか闇のイバラ経由ですでに別の宇宙にも進出している可能性もあるが。
- 宇宙進出する技術力があるのに基本的に木造でなんとかする素朴な雰囲気のHearthian文明、超科学を持っているのに石造りの建築で古代な雰囲気のNomai文明、対比しつつ共通点もあるデザイン傾向で面白いなと改めて思う。これがギャップ萌えというやつか(たぶん違う)。
- Eskerのシグナルスコープ日誌に
「ところで、誰かがPorphyとGossanに、いちゃいちゃしてるのが上からは丸見えだって言ってやるべきだな。」
などと書かれているが、実際にアトルロックからシグナルスコープで村を見てみてもせいぜいこの程度しか見えない(画像下は参考のため探査艇から撮った村)。なんとか見えないこともないかもしれないが想像力を要求される距離なのは確かだ。実は主人公が持ち歩いているのより高性能なシグナルスコープを使っている可能性もゼロではないが。覗きに使ってるけど。 - 気になったので調べてみましたが、『船』に残っている壊れたワープコアは『眼』へのワープ後に消えてしまうが、主人公が拾って手に持ったままワープしても勝手になくなる。なぜだ。没収か。
- 壊れたワープコアだけでなくコアのそばにいたNomaiの骨もワープ後にいなくなるが、そういえばあの人は何をしていたんでしょうか。おそらく『船』を放棄するときにせめてワープコアだけでも持っていこうとしたのだろうが、イバラが船を破壊したときに宇宙服を着ていなかったせいでそのまま絶命したとか…あらためて想像すると壮絶である。灰の双子星プロジェクト発足前の話し合いで
「船のワープコアとそのケースを諦めれば、貴重な知識を失うことになる。」
(Spire談)「たとえ機能が失われていたとしても、古いコアは貴重な設計図になりうる。」
(Cassava談)といった発言があったので壊れたケースであっても技術的価値はあったはず。と考えるとあのNomaiが自身の避難を遅らせてでもコアのケースを回収しようとしたのは理解できるが、それ以上に現実は非情だった。南無。しかしやはりワープ時に消えるのは解せぬ。 - それにしてもあの船の破損状況から考えると、そもそもなぜワープコアが壊れたのか自体がよくわからなくなってきた。先進的ワープコアを『船』に接続すると重力装置が作動するということはワープ装置だけでなく『船』自体のエネルギー供給源も兼ねていた可能性もあるのでそっち方面の問題かもしれない。内側から破裂したような壊れ方だしパワー的ななんかがアレしたのでは。これ以上は深く考えないほうがよい。
- ところで上記の話し合いの記録で、新しいワープコアを作る案が書かれたスクロールの最初の発言を訳すと一度に別発言が4つも出てくるのがなんとなくじわじわくる。私にも俺にも喋らせろというNomaiたちの気迫を感じる。実はこのスクロールにしか名前が登場しないNomaiまでいる(※セリフがひとつしかないMitis)のも地味なおかしみがある。議論が活発なのはいいことだ。
- エンディングの地味な謎といえば、Chertを探すターンに出てくるドラムはChertがいつも演奏しているものではなく2個つながってるタイプのやつなんですがこれはどういうことか。数だけでなく形もちょっと縦に長いコンガ的なタイプだし「元々は2個あったのをChertがひとつだけ使ってる説」もなさそう。このドラムは双子星のように太陽のまわりを周っているからもしかしたらそういうジョークかもしれない。深く考えないほうがよい。
- 『眼』にいるときの主人公がどういう状態なのか分からないと前々回あたりに書いたが、最後のキャンプファイヤーで火に接触してもダメージを受けなくなっているので少なくとも耐火性能が上がっている可能性はある(意図的な誤解)。
20210324
- 感想アンケートの回答数が100件を超えました。皆様ありがとうございます。引き続き受け付けていますのでよろしくお願いします。しかし今どき個人のファンサイトのアンケートに答えてくれるようなOuter Wildsプレイヤーがこんなにいたのだと驚くばかりである。単純に考えて、回答するまでには少なくとも「Outer Wildsを買う(入手する)」→「クリアする」→「何らかの手段で当ファンサイトの存在を知る」→「パスワード入力の面倒を厭わず中身を見る」→「感想アンケートの存在に気付く」→「回答する」の6つの壁があるわけで、これをすべて乗り越えた人が100人以上いるというのは実際かなり凄いことである。あらためて感謝。
- 『Outer Wilds』の開発者・Alex Beachum氏の論文によると、本作の元々の目的は「宇宙滅亡を止める方法を見つける」ことだったそうですが(参考)、そうならなかったのはやはりオチとして弱かったのだろうか(ひどい)。もちろん「行きて帰りし物語」に不満があるわけではないが、本作の構造を考えると「太陽の爆発を止めて宇宙が救われた」=「問題があったけど解決して元に戻った」で終わるのは宇宙を股にかけた壮大な冒険のラストとしては釣り合わなかったかもしれん。しかしあえて宇宙の滅亡を止めて終わるパターン(この場合Nomaiが元凶というオチになってしまうのか?という疑問はさておき)の「その後」などを想像してみるのもそれはそれで楽しいのではないか。
- 『Outer Wilds』の物語は「好奇心」が大きな軸になっていますが、本作の結末は「好奇心の結末」を描いたものだとも解釈できると思うんですよ。本作のプレイヤーはどこかの段階で「太陽の超新星化は寿命によるもので避けられない」という事実を知ることになるが、これは言い換えれば「好奇心の無意味さ・無力さ」を突きつけられるイベントでもある。そもそも太陽が爆発しようがしまいが我々は皆いずれ死ぬのだ(急にどうした)。それもまた「結末」のひとつではあるが、「好奇心とは空しい自己満足に過ぎないのではないか?」という疑問から目を背けずに、そこから更に踏み込んで「それでも未知はあり続ける」、と別の事実を提示したのが本作のラストシーンではなかろうか。
「終わりのないのが『終わり』」
(ジョジョ第五部より)の逆で「終わったけど『終わり』じゃない」とでも言うべきか。個に終わりはあっても好奇心の旅は終わらないのだ(「我らの好奇心は君と共に旅をする」
)。 - 地味な疑問:博物館の展示の解説文にもあるように、Outer Wilds Venturesの創設メンバーはHornfels、Gossan、Slate、Feldsparの4人だが、写真左下のサインにはなぜかEskerの名前もある。ただし『宇宙の眼』の謎空間バージョンの博物館でも解説文で挙げられるメンバー名は変わらないので「実はEskerが5人目の創設者だった」とかいう謎の裏設定みたいなものではなさそう。この写真を撮ったのがEskerでついでにサインしたとか? あるいはゲームの初期案ではEskerも創設者のひとりだったがなんか忘れられたとか…(ひどい)。我々がその答えを知る機会は多分ない。この件に関しては今日更新のファンアートのところにもちょっと書きました(ファンアートのページに考察を書くな)。
- 第6の場所のSolanumさんと会って、アイコンが描かれた石を取って地面に置くと第6の場所以外の同地点にも石が置かれた状態になる、というRedditの投稿。なんなんだもうこのゲームは。
- と震え上がってばかりもいられないので自分でも検証しましたが、確かに地面に置いた石は他の場所にも反映される(※石塚の台に置かれたものは出ない)が、石を置く場所によっては地面に埋まって見えなくなることもあるようだ。試したい人は注意。
- Redditといえば先月のこの投稿で笑ってしまった。その発想はなかった。
20210401
- 更新情報:令和にもなって昔の個人サイトにありがちだったものを今更やっている当サイトですが(パスワード入力しないと見られないページ、カウンター、手打ちのhtmlなど)、そういえば隠しページをまだやっていなかったことに気付いたので作りました。ヒントは各ページ左上にたまに出てくるアレです(※注意:トップページだけはネタバレ防止のため出てきません)。一応エイプリルフール企画として用意したが例によって期間限定とかではないので気が向いたら探してみてね。(追記:20220401:DLCネタの隠しページも作りました)
- …と、堂々と紹介しているものを「隠し」ページと呼んでもよいものか? というわけでこれを今年のエイプリルフールのウソということにしたい(なにがなんだか)。
- 今更だが、フラッシュライト(※手持ちの照明)がデフォルトでオフになっているのも一応攻略のヒントだったことになるのか? 毎回カチカチやる習慣がなければアレとかアレのやり方に気付かなかったかもしれん。
- ところでライト自体は宇宙服を着る前にも使えるので普段から持ち歩いているようだが、やはり日没→日の出のサイクルが短いからだろうか。暗いとあぶないしな(普通のコメント)。村のそのへんに設置してある照明も自動で点いたり消えたりするようになっているが、これを発明するまでは相当面倒だっただろう。ロウソクはあったようだが(※Tektiteのヘルメットについてるので)
- 「量子の月をふたり以上で見ていた場合どういう挙動になるか」という疑問を以前書きましたが、Nomaiたちが月を研究していた頃にこれは問題にならなかったのかと考えてみたら、そういえば当時ほとんどのNomaiは地下住まいだったのだから同時に空を見上げる人数は少なかったはずだと気付いた。気付いたからどうだという話でもないが。なお量子の月はプレイヤーの視界から消えれば違う場所に移動するが、実は「月がある方向」を見続けていれば木の葉や障害物によって一時的に視界が遮られても量子の月はその場に留まり続ける(※画像左上が初期状態、右下が色々やったあと)。これ自体は明らかにゲームの仕様ですが、実はこのとき主人公以外のHearthianが量子の月を見上げていたからだったのかもしれない。考えすぎです。もしあるとすれば一番可能性が高いHearthianはMarlか。
- 本作をとりあえずクリアするために絶対に必要なのが『座標』と『先進的ワープコア』と『船』の3つで、それぞれ『クラゲ』『サボテン』『アンコウ』の3生物たちが立ちはだかる構成になっているのが後から考えるとなんとなくじわじわくる。本作の三大ボスと言っても過言ではない(サボテンは簡単に避けられるからやや過言)。サボテンの厄介さで言うなら太陽ステーションに行く正規ルートのアレのほうがお邪魔感は上だが、これの見方を変えてみると宇宙滅亡の真実に近づくのをサボテンが阻んでいたことになってしまうのでそれはそれでじわじわくるのだった。
- 闇のイバラ版の量子の月には氷漬けのクラゲがいる。Feldsparが試食して後悔したアイツとか巨人の大海に飛んできたやつとかが元になったのだろうが、一方で少なくとも数十万年以上前から生息しているはずのアンコウは死体も骨も見当たらないのはどういうことか(いないよね??)。量子の月に反映されるのはそれぞれの天体の表層に近いところだけで『内側』にある(いる)ものは対象外なのか? それとも『宇宙の眼』にとってすらアンコウは忌避したい存在なのか?(エンディングの演出には出てくるけど)
- そういえばNomaiはクラゲには興味がなかったのか?
- Nomai滅亡から約28万年かかってHearthianは文明を築き上げるまでに進化したが、アンコウはずっとアンコウのままである(骨格すら変化がない)。それはまあ別にいいんですけど、なんか急に古代アンコウ文明とかいう文字列が脳内に発生して苦しみを味わったから皆様にもおすそ分けしたい(シムアースか?)。
- 木の炉辺にHearthianの天敵というか敵対存在がいなかったのは、ある意味では幽霊物質のおかげと言えなくもないのかもしれないなと考えると複雑な気分である。
- 以前も書いたが闇のイバラには他の惑星と違って量子のかけらが無い。かけら自体が信号を発している性質を考えるとイバラ内部のどこかにある可能性もかなり低い(Nomaiたちも見つけていないので信号を受信する機器の精度とかの問題でもないはず)。闇のイバラがある場所には元々氷の惑星があったというが、もしかしたらその惑星が健在の頃には量子のかけらがあったのかもしれない。Chert曰く元・第5惑星は中心に出現たイバラによって粉々にされたらしいが、そのときに量子のかけらも信号を外部から読み取れない程度に破壊されたのでは……うーん、こじつけが厳しいな(こじつけって言っちゃったよ)。量子の月が各惑星に来ること自体がそこそこのミステリー要素だから量子のかけらと何らかの関係があるのかないのかなど色々考えてしまう。
- 量子のかけらが発する信号、先月のデタラメ『眼』考察にこじつけて考えると「かけらが複製したものの情報を『眼』に送信している」とかそういう考察もできますね。デタラメだけどね。
- アンコウの提灯部分、アンコウ本体が死んで白骨化する程度の時間が経過しても光り続けるってよく考えるとすごいな。何で出来てるんだ(深く考えないほうがよい)。
- ところであの氷漬けのクラゲが激マズだった件、もしかしたらもっと単純に鮮度の問題だったかもしれんな。冷凍とはいえいつ死んだかもわからんしな。こんなことまで考察しなくてもよい。
20210408
- 前回のエイプリルフールネタですが(と書いておかないと後でなんのことだか分からなくなるから一応書いておく)、前回書いたとおり期間限定ではないというかむしろただの新コーナーなのでいつでも見られます。勢い余って中身のネタを作りすぎてしまったので暇つぶしにでもどうぞ(隠しページと名乗っているが実態は雑談に書くほどでもない小ネタやファンアート等の一発ネタ寄せ集めです)。もっと有意義な暇の潰し方はいくらでもあると思うが。
- 作ってから気づいたけど要パスワード入力のサイトで更に隠しページって何?? と思わないでもないが作ってしまったからしょうがない。しかし少しだけ反省したので今回の更新分で仕様をちょっと変えました。今後もネタが出来たら追加します。
- 例えマップ表示時であろうとプレイヤーの目線が切れたら消える量子の月は律儀なのかなんなのか。律儀でああいう挙動をしているわけではないが。
- 灰の双子星プロジェクトのワープ塔にいるNomaiの遺体(おそらくYarrow)、手元に弁当箱的な箱が落ちているのがなんだか物悲しく感じる。あと巨人の大海のワープ塔にいる2人のNomaiの遺体(おそらくAvensとMallow)のそばにNomai文字が書かれた石の破片が落ちてるのもちょっと気になるが流石にこれは特に意味はないだろう。たぶん。
- Gabbroとの会話中の選択肢で
「この惑星は一体なんなんだ?」
ってあるけど、よく考えなくても「この」じゃないな。あの宇宙の惑星ぜんぶ変だよ。なんなら衛星も大体奇妙だし…。母星である木の炉辺ですら無重力の洞窟があったりして変だし…。特におかしな仕掛け(※天然の、という意味で)がないのはアトルロックくらいでは。 - 宇宙に飛び出す前の主人公と一番関わりがあった先輩宇宙飛行士は誰か、と考えてみるとやはり翻訳ツール絡みでRiebeckだろうか。Nomai語を自力で訳せるスキル持ちのアドバンテージは大きい。子供時代の主人公(とHal)に質問攻めにされるRiebeckを想像するとなごむ(無論全部妄想)。
- Gossanが着ている服はFeldsparの宇宙服とかなり似ている。Gossan本人も宇宙に出たことはありそうだが目の件かなにかが原因で宇宙での活動を諦めたとかそういうバックグラウンドがあったりするのだろうか。いや別にそんなに知りたいわけではないが主人公が例のイベントでGossanの目について妙に思わせぶりなことを言うから微妙に気になる。何があったんだよ。むしろなんかやったのか?(※主人公が)
- それよりもっと気になるのはHearthianたちの血縁関係を示す情報がまったくない件ですよ。いくら攻略に必要ないとはいえ誰が誰と家族かとかそういう話題が一切ないから逆に気になるのだ。だからといって家系図を渡されても困るが(見たいか見たくないかで言えばものすごく見たいけど)。しかしこの手の話題がまるで出てこないと逆に深読みモードが発動してしまうというか「そもそもHearthianはどうやって子孫を残しているのか」とかそっち方面の想像が始まってしまう(そしてこんな絵を描いてしまう)。これこそ本当に深く考えなくてもよい案件である。
- 血縁関係も気になるけど村のどの家に誰がどう住んでるのかもずっと気になってるけど答えを知る機会は本当にないのだ。少し泣く。ドラクエとかに出てくる家も村や町の人口より明らかに少なかったりするしそういうのと同じだろう(Nomaiの住居も)(人口に対して圧倒的に少ないベッドの数)。
20210415
- “未知の天体 天の川銀河に” 東京大学など国際研究グループ | 環境 | NHKニュース/なんだかすごい話だが
最強天体「ペバトロン」
という呼び名が怪獣みたいで笑ってしまう(※東京大学宇宙線研究所の公式プレスリリースより)。 - ゲームを開始して最初のループを経験したあと発射台のリフトに直行するとSlateに呼び止められるイベントがありますが、これを見たあとに灰の双子星で先進的ワープコアを取り外して「死亡」してからゲームを再開すると同じイベントがもう一度発生する。「死亡」後でも発射コードの記憶や航行記録が消えたりはしないのはゲームの仕様(本作の
数少ない温情)だが、一方でSlateのイベントが再度起きるということは、「死亡」後のゲーム再開はループ内での死とは違って「死亡」する前に戻っている(=次のループに移行しているのではない)ことになる。別の言い方をすると何らかの要因によって「死亡」自体がなかったことになっていると解釈できなくもない。「何らか」が何なのかは不明。 - 非常に細かいことを言うようだが、実は「プロジェクションプール」という言葉は、NomaiのセリフだとCassavaが言った
「Conoy、プロジェクションプールで見たが、答えがわからない。」
(※巨人の大海の竜巻についての会話より)の一文にしか登場しない(はず)。もしこのセリフがなかったら、主人公もプレイヤーもあの機器の名前を知ることなく宇宙の終わりを迎えていたわけだ。そう考えると、このなにげない言葉が急に重要なものだったように思えてきませんか。わたしはそうでもない。 - 宇宙の眼で、森でホタルめいて浮かんでいた光たちが消えていくのは滅びゆく宇宙を表現しているのだろうが、その後にキャンプファイヤーを点火~消火する流れは新しい宇宙(もしくは恒星)の誕生とその観測を表しているのかどうか。誰に聞いているのか。
- 少なくともあのシーンではキャンプファイヤーの火は太陽のメタファー的なものとして扱ってるよね(演奏の最後に消えるし)。と解釈したので、以前描いたChertの漫画ではあえて太陽と火を同じ赤色で塗ったのだった。と書いておかないと自分でも忘れそうなので書いておく。
- キャンプファイヤーの周りに先輩たちが集まっていくのもある意味では『眼』の星系の再構築のような演出である。火が太陽で先輩たちがそれぞれの惑星の象徴ってことね(Eskerは衛星だけど)。Solanumさんは量子の月担当。眼は眼。
- といった話と関係あるようで関係ないですが、キャンプファイヤー出現の演出で途中に出てくる木が、主人公にとってより馴染み深い木の炉辺の木でなく脆い空洞にある木(の葉っぱなしバージョン)なのは他の惑星の木だと縮小したときに違和感があるからだろうか(つまり絵的な都合)、と勝手に思っているがどうか。
- 本当のところ、宇宙の終わりまでに『宇宙の眼』に意識的観察者にあたる存在が到達しなかった場合でも新しい宇宙は勝手に誕生するんじゃないだろうか。ただし生成に使われるパラメータは前の宇宙と同じで、過程に誤差はあれど結果的にほとんど同じものが出来上がる(「宇宙は一巡した」理論、もしくはサイクリック宇宙論的解釈)(ジョジョ第六部アニメ化発表めでたい)。つまり「死亡」した後や新規データでゲームを開始したときの宇宙は全く同じに見えるが実はそれぞれが「新しい(が、ほとんど同じ)宇宙」で、『眼』に到達してクリアしたときのみ「完全に新しい宇宙」が生まれるんだよ!!……というトンデモ説を思いついた(上記の航行記録の件などを考慮に加えると矛盾がたっぷり)。ただ、(何度か書いてるけど)Solanumさんが『眼』に来るか否かで新しい宇宙が微妙に変化する事実(=虫っぽい宇宙人がいるかいないか)を考えると、観察者の存在と状態が次の宇宙に何らかの影響を与える因子になっているのは確かである。Solanumさんと出会わなくても虫型宇宙人は存在するが、たまたまあのとき画面に映る範囲にいなかっただけの可能性もあるが(ないよ)。
20210422
- 巨人の大海は我々の太陽系でいうなら木星的なポジションだった説、というのを以前書きましたが、そういえば木星ことジュピターの名前の元ネタは雷の神様である。そして巨人の大海は空にも海底にも常に雷が光っている惑星である。完全に偶然だけどちょっと面白い。ほかの惑星でもこじつけようと思えばこじつけられるかもしれないが今回はやりません。
- たまにはまともなファンサイトらしく好きなセリフの話でもするか。『眼』の最後のキャンプファイヤーでGabbroが言う
「お前が喜びそうなことだ。立ち止まって道沿いのマツの匂いを感じるとか。」
←これがなぜか妙に好き。原文とはちょっとニュアンスが違う気もするが(※公式Wiki参照)、粋な言い回しであることに変わりはない(そういえばGabbroは一応詩人でもある)。あんな変人たちにも道で立ち止まって木の香りを嗅ぐような風流(?)な一面もあったんだと思うと、なぜかちょっと泣けてくる。うまく言えないけど、そういう何気ないことに喜びを感じたりする生身の生き物らしい感性にグッと来るというか、プレイヤーが体験することのなかった約22分間以前の時間の厚みを想像させるセリフで好きですね。決して考えすぎではない。 - 『Outer Wilds』のシナリオはジャンルで言えばループものかつ滅亡ものだが、その割にあまり悲壮感がない(※個人の意見です)のはやはり「太陽が爆発して宇宙滅亡」のスケールがデカすぎて想像の範囲を超えるからだろうか。誰もがいつもの日常を過ごしつつ唐突に世界が終わるだけなので滅亡それ自体には悲劇的な要素が少ないのもあるだろう(もしあるとすれば前にもちょっと書いた「像とペアになる前に死亡」くらいだが、それすら主観的には体験することはない)。例えばHearthian村の皆が爆発の兆候を見つけて「おいあれは何だ?」とざわつき始めて、最終的には恐怖と絶望で宇宙の終わりを迎えるようなのが毎回ループの最後にあったらそれこそ鬱ゲーまっしぐらですよ。ゲームの結末が超新星爆発を止めるパターンだったらそういう演出もアリかもしれんが。Chertがうろたえる一連のイベント以外に「悲劇的な滅亡」を強調するような演出がないのはたぶん意図的なんだろう。世界が一瞬で滅んだらそれによって困る奴も全員いなくなるからむしろ問題がない、という皮肉な事実を反映していて、このへんも本作の好きなポイントですね(※個人の意見です)。
- もちろんNomaiたちが幽霊物質によって即絶滅したのも「困る奴が全員いなくなった」状態であるのは言うまでもない。それに対して悲劇性を見出すのは生きている奴だけである。
- NomaiもHearthianも、原因は違うがどちらもほぼ一瞬で全員が即死したのは彼らにとってまだ救いだったのでは、と言っていいのかどうか。特にNomaiの死因がもっとじわじわ苦しみながら死んでいくようなものだったらこっちも完全に鬱ゲーになってしまう。Nomaiたちなら何が原因であろうと最後まで抵抗するだろうが(Pyeたちが幽霊物質に対してそうしたように)。
- ゲームの内容からはちょっと外れますが、「宇宙が始まる前はどういう状態だったのか」とか、「そもそも宇宙が存在する理由・原因とは何なのか」「それ以前に宇宙に始まりとか終わりはあるのか」みたいなことは大昔から様々な形で想像されてきたわけだが、仮にマジでなんもない『無』の状態があったとしても、現在のこの宇宙が存在する以上は『無』からも何かが生じる余地があるということで、言い方を変えると可能性は無からですら生じる可能性があることになる。ただし可能性という言葉は無限定に使われるべきではない(『御先祖様万々歳!』もしくは『四畳半神話大系』より)。どんな可能性があろうとなかろうと可能性はそれだけでは可能性のままでしかない。
- といったところでゲームの話に戻るが、もしかしたら『宇宙の眼』に到達した意識的観察者の役割とは「宇宙が存在する」ことを観測によって確定させることではないか?と急に思いついた。エンディングのSolanumさんが何度か「可能性」について語るのがずっと印象に残っているのだが、彼女が言うとおり、可能性をある状態に固定するにはむしろ可能性を崩壊させる必要がある。もし『宇宙の眼』の役割が新たな宇宙の創造だとして、じゃあそこに意識的観察者が来ることになんの意味があるの?来る必要あったの?と考えてみるとやはりそのあたりが答えな気がする。あの場所に到達する者はとりあえず「宇宙が存在すること」を知っている存在であることだけは間違いないですからね。ただし意識的観察者が単なるトリガーとして扱われているわけではなさそうだというのも前回の雑談で書いたとおりである(※Solanumさんがいるかいないかで虫っぽい宇宙人がいるかいないかが変わる件)。
- その点では到達する者はNomaiたちの誰かでも良かったはずだが、到達するタイミングの問題だった(=まだ太陽の寿命には早かった)のか、それとも単純に運が悪かった(=幽霊物質のせい)のか。前者だとするとまさに宇宙滅亡のタイミングに誰かが『眼』にいなければならないことになってしまうのでかなり無理がある感はある。ただし『宇宙の眼』にいるときに時間の流れがどうなっているのか未知数であるのと(※参考:量子の月のSolanumさんの状態)、主人公が『眼』の空の穴に入った時点で後戻りできなくなる(=博物館から出ようとすると入り口に戻される)のを考えると、『眼』の例の場所は他の時空間とは切り離された環境である可能性も否定できない(少なくとも意識的観察者の主観では)(なお『眼』の地表は時間経過で太陽が爆発するのが見られるのでそういう環境ではない)。もし意識的観察者に前述のような役割があったとしたら、来たるべき時まで『眼』の中に保管されるということですね。自分で書いておいてなんだがなんとなくイヤだな。
- そうなると気になるのは2人以上の「生きている」意識的観察者が到達した場合の『眼』の挙動だが、そこまではもう流石にわけがわかりません。Nomaiたちが到達した場合はこっちの可能性も十分あったわけだが。
- 急に冷めたような言い方になるが、宇宙の誕生とか崩壊とかそういうスケールのデカい出来事について人間個人(Hearthian個人かNomai個人)がなにか影響を及ぼしたりするようなことがあるのか?ないのでは? みたいな観点も自分の中にあって、でも『Outer Wilds』のエンディングに打ちのめされた自分がいるのも確かなので、そのへんに折り合いをつけたいとか思っているわけでは別にないのだが、考えるのは楽しいので考えているだけです。結論もなにも製作者が「実はこういう話だったのだ」とでも言わない限り答えはどこにもないのだ。
20210429
- SteamDB Unknown App 1622100 ・ Outer Wilds - Echoes of the Eye ・ AppID: 1622100 ・ SteamDB/????????
- このゲームにDLCとか出る余地あるの?!?!!(第一声) というわけで何かが始まろうとしている(Mobius DigitalやAnnapurna Interactiveもこの反応)。ただ、Steamでは「DLC」と表記されていても中身は電子書籍や壁紙のようなボーナスコンテンツの場合もあるから必ずしもゲーム内の追加要素が来るとは限らないかもしれない可能性は否定できない(例えば、2020年1月に音楽再生機能が追加される前はサントラもDLC扱いだった)。つまり現段階だとなんにも分からん。備えよう。
- 何事もなかったかのように今回も好きなセリフについて書くか。太陽ステーション内、Idaeaとの会話でPyeが言い放った
「つまらない男ね。」
は初見時に爆笑してしまった。なんかこう、それまで見てきたNomaiたちの知的なイメージに対してあまりに端的すぎる言い草のギャップが面白かった。原文でも「You lack a sense of humor.」
とかなりバッサリ言い切っててひどい(好き)。なお、原文ではIdaeaが「少なくとも倫理的だと思うがね!(At least I don’t lack a sense of ethics!)」
とPyeの言い回しを意識した反撃をしているのが興味深い(「バーカ!」「バカって言うほうがバーカ!」レベルのものではないと信じたい)。Nomaiが本気でケンカした場合どのような語彙で舌戦を繰り広げるのか興味が湧く。ラップバトルをやるNomaiがいたかまでは分からないが。口論詩くらいならなんとか(なんとかとは?)。 - 前回書いたので思い出したが、Gabbroが自分が作った量子の詩について
「ちょっと面白いだろう?名詩選24に入れる。」
と評するセリフがあるが、Hearthian文明に『名詩選』なるものは本当に存在したのだろうか?ただのGabbroジョークか?(原文では「It works out to be a good 24 poems.」
) - Hearthianが使っている技術のいくつかはNomaiの技術を取り入れたものだそうですが、Hearthian村にあるソーラーパネルらしきものはNomaiが作ったものとは見た目が違いすぎるのでもしかしたらこれに関してはちょっと違うのかなと勝手に思っている(参考にはしたかも)。惑星の立地条件(変な言い方)的にも双子星と木の炉辺では太陽光エネルギーを得る効率自体にかなりの差があるからそこまで熱心に研究されなかった可能性はある。
- イヤな自由研究:Eskerがいるアトルロックの基地のエリアで宇宙服を着用せずに動ける範囲はどれくらいなのか調べてみましたが、大体どの方角でもクレーターの中までは大丈夫のようだった。クレーターから一歩でも出る(※ジェットパックなしでも一応ジャンプで出られる)と主人公が苦しそうにするのでそれを判断基準とした。ひどいことをするな。なお宇宙服着用時に木を検知するのも同じ範囲。
- でもEskerならすぐ隣のシグナルスコープ日誌があるデッキくらいまでは生身で行けると思うんだよな(根拠ゼロ)。
- 量子知識の塔や高エネルギー研究所、彫像工房など、Nomai建築のいくつかは天井がメッシュ状になっているが、あれはなにか理由があるのか?(攻略上は偵察機を中に送り込むために必要だけど)。太陽光を採り入れるのが目的だとしてもガラス的なものは普通に使ってるしな…。あれだけ隙間があれば砂や水(雨と海水)も入り放題だし火山弾に耐える強度があるのかも謎。換気のためとも考えにくいし。そんなことを気にするべきではないのは重々承知です。
- そういえば、巨人の大海の逆向きの竜巻の発生原因は最後まで謎のままだった(Spireが模型まで作ったのに!)。いや特に気になるわけではないんですが(各惑星の天然の不思議要素についてはツッコミ始めたらキリがない)。それよりも、Nomaiの時代にはあの現象は単にちょっと物珍しいよね程度の扱いでしかなかったのが、後になって
例のパワー夫婦のせいでまったく想定外の意味が出てしまったのはちょっと面白い。役に立つとは思えないマイナーな研究に思いがけない理由で価値が出たと解釈すると研究者ロマンな出来事だったのかもしれんが。 - Nomaiは海底の電撃ビリビリには興味はなかったのだろうか?
- 素朴な疑問:Nomaiたちはあちこちの壁や地面に様々なことを書き残していたが、あれってそのうち壁じゅう文字だらけになりませんか? 書く場所がなくなったからといって他人が書いたものを勝手に消したらトラブルになりそうだし、Nomai社会的にはどういう扱いだったのだろうか? 第三者が文章を消しても自動でどこかにログが残るような仕組みがあれば技術的には解決可能な問題だが。AR(※拡張現実)的な感じで位置の情報も保存すれば状態の再現もできるしな。スクロールやプロジェクションストーンも、あの大きさの媒体に保存できるのがテキストデータ数行だけというのは考えにくいし、Nomaiたちが持っていた例の杖で操作すれば過去に保存された情報も見られたりしたのではないか…と勝手に想像している。音楽を演奏する機能まであったのだから、あの杖に我々の世界でいうスマートフォンのような機能があったとしてもそう驚きではない。操作盤の形もそれっぽいし。繰り返すが全部想像です。
- ちょっと話は変わりますが、SolanumさんがNomai文字を杖で書いたり消したりするシーンは実際かなり感激しましたよ。それまでにNomaiの文章はあちこちで散々見てきたわけだが、それらをどうやって書いていたのかは完全に謎だったわけじゃないですか。それを本物のNomaiが目の前でサッとやってくれただけで一発で理解できるという。文字通りの「百聞は一見に如かず」というか、ずっと正体不明だった生物の化石が古生物学者の前で突然蘇って動き出したようなものというか、そりゃ興奮ですよ。生きものが死後に残す痕跡に対して、「生きている」者が持つ情報量って密度に圧倒的に差があるんだなと…。初対面のときはそれどころではなかったが。