解説
雑談考察の11ページ目。2022年3月以降分。
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(公開:2020年8月18日)
※このページはDLC『Echoes of the Eye』の情報を含みます(本編の雑談とは分けてあります)。
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目次
20220304●
- 去年8月にLEGOで探査艇を作った方がLEGO IDEAS(ユーザー考案の作品を商品化してくれるやつ)に投稿していたのをAnnapurna InteractiveとMobius Digitalが本日反応。実現のためには最低1万以上のサポート票が必要ですが版権物だからダメということはなくむしろIDEASでは版権物の作品が多数商品化されているのでそういう意味では可能性はゼロではない(ゲーム作品だと今年1月にソニックのが出た)。ただし登録後サポート票が集まらないとプロジェクトが削除される(期限は最大2年間)のでそういう意味では厳しい。わたしが前述のツイート後に見た時点では1000票以上ありましたが実現してほしい方はアカウントを作ってサポートボタンを押してはいかがか。なお商品化の暁にはお値段はこれくらいになる傾向がある。発売されたらちゃんと買おうね。
- 商品化が実現しなくてもレゴなので自分でパーツを集めれば再現は可能なのが良いですね(存在しない色のパーツは自分で彩色する必要はある)。今までredditに投稿されたのだと
- It took a lot of revisions, but I made the Protagonist and the Ship in LEGO. : outerwilds
- A digital LEGO model of the ship that I made. I'm pretty proud of it! : outerwilds
- A little Lego for you : outerwilds
- A LEGO Protagonist to go with DocBattington's Ship Design : outerwilds
- I recreated the Outer Wilds spaceship out of LEGO! : outerwilds
- Are you ready, hatchling? : outerwilds(※追記・3月10日投稿)
- Riebeckについて
「実のところ、あのツールを持っていくのがお前で…Riebeckとかじゃなくてほっとしてるんだ。あいつだったらツールの上に転びかねない。」
などとナメた口をきいているHalだが、Hearthianの中で緊張興奮その他のストレス理由で吐き気がするとか表明しているのはRiebeckとHalだけだという事実をここに記しておきたい。 - 記憶の像とペアになる前の主人公もゲーム本編同様に初の単独飛行の日を過ごしていたことになるが、931万8054回の繰り返しの中で一体どんなことをしていたんだろうか。プレイヤーと違って主人公本人にはあの世界での常識があるから間欠泉に飛び込んだり幽霊物質に飛び込んだりするループは無かっただろう。
- 木の炉辺の村もアトルロックの基地も、どちらもクレーターの中に生活拠点を作っているのがなんとなく面白い。Hearthian的には落ち着くスポットなんだろうか。Tektiteもイバラの種が落ちたクレーターのことを「気に入ってた」と表現していたし。Hearthianのご先祖様が暮らしていた場所を考えると原始的なHearthianはクレーター内部の水辺で暮らしていた可能性が高いと思われるのでそのあたりも影響しているかもしれない。
- Nomaiが生きた状態で灰の双子星プロジェクトを成功させて『眼』の座標を手に入れた場合『眼』にはどうやって行くつもりだったのか、と考えたがNomaiたちは自力でワープ装置を作れるのだから別に問題にはならないのか。長距離ワープに必要であろう先進的ワープコアもすでに持っているわけだし、探索のために宇宙船を作るとしても『船』のように大きな宇宙船である必要もない。プレイヤー=主人公が『船』を使うのはあくまでワープ機能が目当てであって宇宙船としての役割を求めているわけではないのと同じである(船体も壊れてるし)。なるほどね。自分で納得するな。
- クリア後感想でも少し書きましたが、灰の双子星プロジェクトの仕組みは量子コンピュータの基本的な考え方とよく似ている。すべての計算結果(=探査機を撃ち込んだ方角に『眼』があるかどうか)が事実上重ね合わせの状態になっていて、条件が整えば望んだ結果(=『眼』の座標)が取り出せるという点はそう解釈できなくもない。かつてAnnonaが量子の月を指して
『巨視的量子力学の一形態』
と表現したのに倣えば『巨視的量子コンピュータ』とでも言うべきか。肉眼で見える規模で量子的な挙動をする『宇宙の眼』を量子ビットを用いない量子コンピュータ的なもので探そうとしたNomaiの行動が『眼』の模倣のようで少し面白い。量子力学を全然知らないのでこの文章は感覚に基づいて書いてます。
- ↓ここからDLCの話題↓
- Outer Wildsのレゴ作品といえばDLCが出て比較的すぐにイカダとイカダ小屋を投稿された方もいた。マニアックかつ良く出来てる。
- 素朴な疑問:『流れ者』のUFO風宇宙船、脚が結構低いけど住人たちはどうやって乗っていたのだ。主人公が下に入ってちょっとジャンプしただけで頭がぶつかるくらいの高さしかないよね、あれ。というより住人たちがあれに乗っている様子を想像できない。あのツノでは宇宙船のヘルメットを作るのも大変ではないか。Nomaiのツノは頭の形に沿った作りだからあのサイズのヘルメット?で収まったが。
- 去年12月17日の雑談では軽い説明しかしませんでしたがゲームデータ内で主人公のビジョンが「Story」の5番目としてナンバリングされているのって相当エモいよなと思いました。番号をつけずに特別扱いでもよかったのに(最後の囚人さんのビジョンのように)あえて続きの番号を振ってあるのがね…。
- 『流れ者』で4という数はちょっとだけ特別で、スライドリールの巻数も全4巻までしかないし各エリア(zone)も4つに分かれている。ついでに火室の数も4箇所。プレイヤーが侵入するまで時空間的に「4」で止まった・閉じた場所だったわけです。
- 囚人さんが操作した眼信号妨害装置の操作インターフェース小屋の正面に囚人さんが幽閉された構造物があるの、なんか見せしめ感というか悪意がある感じでちょっとイヤですね。場所が開いてたから偶然あそこに構造物を建てただけだけと思いたい。
- Solanumさんの自己紹介
『私の部族は私が生まれる前にこの星系にやってきた。今ではここを故郷と呼んでる。』
というセリフ、DLCを終えてから見るとまた新しい意味で切ない。本来のNomaiはおそらく故郷(と呼べるもの)を持たないライフスタイル(強いて言えば『船』が故郷?むしろ実家?)だったと思うんですが『眼』の星系に来た一族はそこが変化したんですよね。故郷があったけど失った『流れ者』の住人たちと、帰る場所はないけれど自分たちで故郷を作ったNomaiたちというのも対比かしら。 - 『眼』の森の楽器集めパートは囚人さんの弦楽器を探すところでミイラが出てきますが、あれが片角の人=囚人さんではなく住人の誰かのミイラだというのもなかなか凄い演出だと思います。ただのビックリ演出と割り切るには意味深すぎて色々と考えてしまいますね。Feldsparのパートで出てくるアンコウと同じようなものと思えばそれまでだけど。
- しかし遺体とはいえ『眼』が全く元ネタのないものを勝手に生みだすことはほとんどないのであのミイラにも再現の元になった人物が存在するのでは?と少し考えてしまう。Solanumさんのターンに出てきたNomaiの骨も実は誰かの骨の再現だったのかも。
- 本当は『眼』のために故郷を離れるのに反対だった人や片角さんを投獄するのは嫌だった人もいたのかもしれないけどそういった個人の意志・意見は一切知ることができないのもDLCのしんどいポイントですね。集団としての意見・行動は残されたものから判断できるけどそれぞれの住人が実際なにを考えていたのか、どう思っていたのかは分からない。
- 当たり前のことを言うようでアレですけど、人は『個人としての自分の意見』と『集団としての自分の意見』をそれぞれ別のものとして考えて表明することができますよね。「自分はカツカレーが食べたいけど全員で同じものを頼むならチキンカレーのほうがいいかな」みたいな。全然適切な例えじゃねえなこれ。どちらも『自分の意見』には違いないけど両者の意見は同じこともあれば相反することもある。そしてどんなものであれ表明しなかった意見はそのまま消える。この世には結果だけが残る(by ジョジョ第五部)。
- ものすごく、ものすごくどうでもいい話ですけど、『流れ者』の住人たちが使っているベッドは立ち寝タイプのベッドだけど遺物の実験のときにイスに座って寝てる人がいるから別に立ってないと眠れないってことではないんだよな。だからどうした。
- ものすごく細かいことついでに、囚人さん最後のビジョンで二人でイカダを水辺に押す様子が出てきますが、やっぱりあのイカダは手動(自力?)で水まで押して乗るのが普通の乗り方なのだとあの映像で明らかになったのがちょっと好き。本編でいうとSolanumさんが杖で文字を書くところでNomai文字の書き方が判明するシーンにも同様の良さがある。先に道具だけが出てきて「これはどう使っていたんだろう」と想像してから実際どうだったか分かる流れがなんか良い。
20220312●
- Annapurna Interactive公式があまりにも堂々としたネタバレツイート(※時空構造破壊エンド)をしてて草。草ではない。オビ=ワンが何したってんだ。
- 1月に描いた鼻血の落書き、分かりやすさ優先で血を赤く描いてしまったが実際は何色なんでしょうね、Hearthianの血。別に血が見たいとかそういう意味ではなくただの好奇心です。
- Solanumさんと出会ったときの会話(会話ではない)は冷静に考えると初対面かつ非常時(自分が生きてるのか死んでるのかも分からない状態のときにおかしな四つ目のエイリアンが来た)に話すような内容ではない気がする。しかし、よくよく考えるとNomaiたちは命に関わるレベルの緊急事態であっても好奇心を発揮してしまいがちな傾向があった(※)のでNomai的には全然まったくおかしくない自然な話題選びだった可能性も否定できない。ちょっと異文化を感じる。普通は
「うわあああああああああああ!」
だと思う。
(※例1:脆い空洞の地下に命からがら避難したあと、より安全な場所を探す前に『眼』について話し合っていた/例2:燃え盛る双子星で砂と熱に追われている最中に「そのまま進むんだ。この道の一番奥には岩以外に何もない。」「その岩が興味深いものであっても、今は調べる時ではない。」
とわざわざ書き残していた=そうでもしないと本当にあの場で岩を調査し始めるような人物がいた?) - 今更の疑問。博物館の展示に
『古代のNomaiの美術品の中には、奇妙な動物や見慣れない天体をはじめ、この星系では見られない題材を用いたものもあり、』
とあるがその美術品とやらはどこで見られるのか。控えめに言って喉から手足が出るほど見たい。
- ↓ここからDLCの話題↓
- DLC時系列に模擬現実の仕組みについての仮説を追記しました。DLCプレイ日記に書いたやつと内容は大体同じです。自分でも奇妙だとは思うが、模擬現実にいる人たちは死んでいるのに生きているという事実を前提に考えねばならないのでどうしてもこういう方面から考えざるを得ない。少なくとも「死にログイン」の手段がある時点で現実の肉体の存在をどこかで切り離さなければならないのだ。遺物使用中は睡眠状態を維持云々のところは住人たちが死ぬまで眠り続けていた理由を説明すべく考えた理屈ですが、なんかこう服毒的な手段やなんかで死にログインしたのだとすればこの仮説は不要になります。悲惨さはより増すが。
- 「死にログイン」時の記憶が航行記録に残る件も、模擬現実ログイン中は現実の肉体とはまた別に主人公の意識が存在していることの裏付けだと考えられなくもないんですよね。ただし記憶の像の仕組み自体が謎なのでそのへんはなんとも言えません。むしろこれは記憶の像にNomai以外の記憶も保存できる理由の補強になっているかもしれん。異星人(=Hearthian)の記憶どころか異星人のコンピュータのデータ(=航行記録)まで保存できちゃってますからね。「記憶」(memory)と見なす情報の幅が広すぎる。どんな技術力だ。
- 現実の肉体と模擬現実の複製がお互いに別モノということは、それぞれが模擬現実で感じる知覚もまた別モノと考えたほうが良さそうである。現実の肉体はビジョントーチ技術の応用による物理的な作用、模擬現実の複製はプログラム的な作用によって模擬現実でのあれこれを感じ取っているはずである。
- 複製側の解釈は比較的簡単で、これはおそらく現実の知覚と同等のものを感じるように模擬現実側で設計されている可能性が高い。実際どのような感覚を味わっているのかはプレイヤーは知ることはできないが、例えば苦痛に関しては遺物をそのへんに置いて水に入ったときに主人公が苦しそうな声を出すのが確認できる。これは現実で宇宙服を着用せずに間欠泉に突っ込んだときのリアクションと同じである。また『流れ者』の住人たちが現実の水没イベントによって消失する際には苦悶するような動きで消えていく描写もある。本人たちにインタビューはできないので憶測になるが、このときの彼らは死の苦しみに相当する何かを感じながら消えているのではないか。少なくともまったくの無感覚ではないことは確かだ。南無。
- 視覚や触覚はまだしもなぜ苦痛まで再現されているのか? 模擬現実での出来事をあくまで「現実」として認識したい場合、仮想の体とはいえ本来感じるべき痛みを完全に無視してしまうのは「ここは現実世界である」という認識に重大な矛盾を引き起こす可能性があるからではないか。お風呂やプールで水中に潜っているのに何分経っても少しも息が苦しくならない状態を想像してみてください。現実にそんなことがあったら頭が混乱すると思いませんか? 現実そっくりの世界を作ったからには現実の苦痛もある程度再現しなければリアルから遠ざかってしまうのだ。無理矢理考えた理屈はこんな感じだよ。なお本格的な怪我や病気までは再現されているとは思えない。やる意味がない。
- ついでに一定以上のダメージを受けたときに目が覚めてしまうのはなぜなのか。このあたりはゲーム的な都合だと考えるべきなんだろうけど(特に落下ダメージでの起床はゴリ押しプレイ禁止のためのはず)、恐ろしい夢を見たときに目が覚めないなんてそれこそ悪夢ですから遮断処理的な仕様なんじゃないですかね。あとは寝てるときに段差から足を踏み外す夢を見てガクッてなるやつの再現とか。そんなもん再現するな。
- 話を戻す。状況から考えるに、『流れ者』の住人たちが模擬現実に完全移住するのは模擬現実開発当初からの既定路線だったはずである。自分たちが作った新たな故郷への、いわば転生を実現するのが模擬現実の目的ではないか。その転生した自分がただのbotみたいな存在だったら意味がないので、少なくとも「自分は生きた存在である」と当人が認識するのに十分な程度には各種感覚は再現されているんじゃないかしら。どうかしら。
- 模擬現実にはお酒のボトルみたいなやつとグラス一式があちこちにありますが、多分あれも飲めばちゃんと味わえるように出来てるんじゃないかな。でないとただのインテリアである。お酒が目の前にあるのに絶対飲めない世界に永遠に住み続けるなんてイヤでしょう。わたしは5歳なのでお酒の話はよくわかりません。
- 次に現実の生身の肉体の知覚について。こちらに関しては上記の複製側の話はほとんど関係なく、あくまでビジョントーチ技術の応用でどうにかしていると解釈したい。
- 視覚的な面は特に疑問を挟む余地はないからいいとして、それ以外でまず気になるのは模擬現実で聞く音の件。音楽ハウスのエレジーや住人たちの声に自然音(自然ではない)のことはどう考えるべきか? と思ったけど遺物実験室のビジョントーチでは映像だけでなく音も再生されてましたね。あれを演出的なBGMとかでなく実際に主人公が聞いていた音(=ビジョントーチが出している音 or 脳内に聞こえる音)だと解釈すれば音の問題は解決だ。よかったね。念のため書いておくが模擬現実内にあるビジョントーチはまた別ですよ。あれは完全にプログラム的な存在なので色々とどうとでもなる。
- ついでのついでにかなりメタいことを書くが、映像情報と音声情報さえあれば「この世界は(ゲーム内世界の)現実世界を再現したものだ」とプレイヤーに認識させるには十分なんですよね。とんち合戦みたいな話になるからあまり言いたくないが。
- 視覚と聴覚以外の知覚を現実の肉体はどう感じているか? 模擬現実での出来事が夢の中の出来事のように感じられるものだとすればこれは比較的簡単に片付く気がする。
- 我々人類が睡眠中に見る夢にはかなり個人差があり、味や匂いを感じるという人もいれば無味無臭の夢を見る人もいる。しかし味を感じるといっても実際の肉体が飲食しながら眠っているわけではないので、その味覚の実態は脳のどこかから持ってきた既知の味覚の記憶に基づいたもののはずである。他の感覚もこれと同様で、例えば触覚は「木の板を触ったら大体こういう感触がする」といった記憶を脳が夢の内容に合わせて組み立て直している。本来感じているわけではない知覚を脳が勝手に補完してくれるから夢は成立しているのだ。ゲームで高いところから落ちたときに背筋がヒュッとする感覚に襲われたりしますが、視覚情報だけでもそういった身体感覚を引き出すことは案外可能なんですよね。いわゆるフルダイブVRのようにあらゆる感覚を技術的に再現し尽くさなくても、「夢」というフィルターを通せば利用者の脳にそれぞれの感覚の生成を委託することが出来るのだ。夢って便利だな~~~。なお「夢」の仕様が地球人類とHearthianと『流れ者』種族で全て同じかどうかは当然不明。
- ビジョントーチは使用者の記憶や思考を読み取ることが出来るようだが、その技術によって個々の人格のコピー(と呼べるもの)まで作れるかどうかは正直よくわからん。しかしそこを否定すると我々がDLCの最後に会った「囚人さん」をどう説明すればいいのか分からなくなる。これもメタい言い方になるけど、囚人さん以外の住人たちは主人公を見たときの対応が(ほぼ)同じだから個別の人格があったとしてもそれを確認する手段は無い。故郷のスライドを見ている人のように個性を感じる住人が他にもいたら住人たちへの認識はもっと違っていたかもしれない。
- 仮想の世界に住人たちのコピーを作って移住させるのが模擬現実の主目的だと考えると、現実の肉体が遺物を使って「夢」を見る機能はむしろオマケだとも言える。「眠ることで故郷に行ける(逝ける)」ことには大きな意味があったとは思うのでオマケは言い過ぎだが。
- ところで外見情報が再現されているはずなのに主人公の宇宙服や装備品一式が反映されてないのはなんでなんでしょうね。なんでなんだよ。おい。おれの目を見ろ。
- 冗談はともかく、仮に反映されたとしても外見以外の機能は一切再現されない可能性が非常に高いと思います。模擬現実のスキャン機能はメカニカルな方面の再現までは対応していないのではないか(※遺物は直接システムに組み込まれているはずだからセーフ)。しかしジェットパックを装備しているのに飛べない、偵察機が飛ばせない、ライトを持っているのに使えないとなると事情を把握していないプレイヤーにはゲームのバグと認識されかねないので装備没収という形で分かりやすく表現したんだろう。たぶん。(追記:現実ではフラッシュライトは宇宙服なしの状態でも使えるので、やはり機械的なものの動作は再現できない(しない)のかも)
- 模擬現実に「移住」した住人たちは生身の肉体で生きていた頃よりずっとずっと長い時間をあっちの世界で過ごしていることになるわけですが、そうなると現実って何なんだろうと思ってしまうな。多くの住人たちにとってもゲーム時点の状態は
『うろ覚えの夢』
なんだろうか(※DLC追加エンドより)。 - ところでわたしの解釈だと、模擬現実のログイン中にプレイヤーが操作しているのは模擬現実側の主人公ということになる。模擬現実にいる間は現実の主人公はプレイヤーから開放された状態なわけだ。なんだか不思議な感じがしますね。
- というわけで今回は模擬現実特集でした。全部妄想レベルの仮説ですので真に受けず適当に流してください。
20220316●
- 先日、Steam版で687.27MBもある謎のアップデートがありました。公式がなにも発表してないので詳細は不明。Steam Deck用の最適化ではないかとの声もあったのでそういうことかもしれない。しかしまさかSwitch版より先にSteam Deckが出るとは。
- ラストシーンの新しい宇宙にカマキリ風の宇宙人が誕生していた件、木の炉辺にも虫はいる(※ホタル的な虫に加えて何かしらの虫の声がするので複数の種類はいるはず、ホタル的なやつがリーリー鳴いているのでなければ)からそんなに唐突というわけではないんだよな。地球上にいる生物の中でも個体数でいえば昆虫は上位にランクインするカテゴリの生物(※微生物とかは除く)であるし、「人口数」でいえばHearthianよりずっと多かったはずである。別に多数決とかそういうもので次に進化する生物種が決まるわけではないと思うが。なお数でいうなら植物も人類よりずっと多い。木の炉辺でもHearthianの人数より木の本数のほうが多い。これはジョークで書いてます。
- ↓ここからDLCの話題↓
- Nomaiの身体構造の話、以前redditで第3の目でNomai機器のオーブを操作していた説(※下の2つの目で他のものを見ながら操作できる)を挙げている方がいてなるほどと思った。リンク先にDLCネタバレがあるのでこっちで紹介。
- 模擬現実の峡谷の建物に飾ってあるボードゲームの絵、よく見ると「Antler」のコマのひとつがツノが折れているように見える。これが何を意味するのかはまったく分かりません。このコマだけ盤の外に転がっているのも意味深に感じるがこれをどう解釈すべきなのかは本当に分からない。これは写真ではなく絵なので住人の誰かが何かを意図して描いたということだけは確かだ。しかし、いったい誰がどんな思いでこれを…と考えたところでヒントにかすりすらもしないのだ。あんまりだ。
- 片角さんが『眼』の信号を開放して幽閉されるまでの出来事だけでも物語が一本作れるくらいのイベント量はあっただろうけど、そこに一切触れないまま終わるのもなんというか凄いよな。それが意図的な構成だというのは理解できるが、それはそれとして「あのときあなたはどうしてましたか?」「囚人さんの行動についてどう思いましたか?」と住人たち用のアンケート用紙(アンケートビジョントーチ?)を持って模擬現実を回りたいくらい実際なにがあったのか気になってしょうがないわ。そして首を折られる。
- 前回のちょっと補足というか蛇足。あの仮説はいきなり思いついたわけではなく、「夢の世界」はバーチャルリアリティだったと判明→利用者が死んでるのに動いてるのはなぜ?→もしや利用者本人じゃなくてコピー?→でもそんなもの作る技術なんてあったか?→ビジョントーチ!!!! …という流れがあって思い至ったのだった。もちろんゲーム内でそう説明されたわけではないがそう考えようと思えば考えられないこともないという絶妙すぎる設定だなと思いました。人の記憶や思考も読み取れるってところが決定打ですよ。
- なんかこう、ひとつの物事を説明するのにそれぞれ設定を付け加えていくんじゃなくて、ひとつの設定で複数の物事について説明できるようにするのってスマートで良いですよね。これは完全にわたしの趣味の話です。このサイト全部そうだよ。
- 3月4日の雑談で『『眼』が全く元ネタのないものを勝手に生みだすことはほとんどない』と書きましたが、『眼』の森での楽器集めパートに出てきた墓石は明確に元ネタが存在しない物体である(少なくともプレイヤー=主人公は知らない)。もしあの墓石が『流れ者』の文化で実際使われていたものでミイラ化した誰かの記憶から復元したとかなら話は分かるがそうでないなら一体なんなのか。
- そしてあの墓石に彫られているのは誰の(何の)名前なのか。文字がわからないのでどうとでも解釈できるが、むしろそれによってあの宇宙で失われたもの・これから失われるもの(宇宙滅亡によって)全てに対する弔いと解釈できなくもないところがニクい演出である。でも墓石に「宇宙」とか彫られているのを想像したらシュールにも程があるので文字が分からなくて良かった。
- ついでに「主人公がまったく見たことがないもの」があの場に登場したことによって『眼』の性質についてまた少し考えることが増えた。考え続けてもなにも理解できないことは分かっているが。
- 文字といえば、v1.1.12のアップデートで模擬現実の保管庫の前に文字が書かれた足場(板)が追加されましたけどあれは何が書いてあるんだろう。文字そのものは他の場所に書いてあるやつと同じテクスチャの流用だから解読とかそういうのは無駄です。念のため。
- そういえば、初期の雑談コーナーで『Outer Wilds』の結末をあえてひっくり返してご都合主義ハッピーエンドにする劇場版時空があったらどうかと妄想したことがあった。この場合、囚人さんは探査艇のコンピュータに人格データを移して一緒に連れて行くことになるだろうな。「なるだろうな」じゃないんだよ。そんな結末はない。泣く。
20220325●
- Reddit:I think my curiosity destroyed the biggest Nomaï accomplishment : outerwilds/噴いた。
- 本編・DLCで各天体等の3D環境アートを担当したEilish Lambrechtsenさん、現在はMobius Digitalのでないお仕事をなさっているそうです(ご本人のツイートより)。お疲れ様でした。
- ワープ塔の直列する角度は天体の中心から5度の範囲内にあればよいという設定は、そうでないと各天体のワープ装置の位置を超厳密に計算しないと使えないことになってしまうので一応そういう説明を加えたのだろうか。巨人の大海はワープ装置自体が不規則に動き回るし。むしろ巨人の大海のためにその設定を考えた可能性が(※憶測です、念のため)。
- 太陽ステーションの中には記憶の像が2つもありますけど、それはつまり灰の双子星プロジェクト発動中にあそこに人がいる想定だったことになりはしないか。各ループの終わりには太陽が爆発すると分かっているのにあんなところで待機したいと思うNomaiはいるのだろうか? 厳密に言えば太陽系のどの天体にいようがループ中は結局全員死ぬわけですけど気分的になんかイヤじゃないですか? 誰に同意を求めているのか。太陽ステーション内に超新星化を止める緊急停止装置(※手動の)でもあるなら話は分かるけども。
- 超新星爆発時には太陽ステーションの像が真っ先に壊れる=記憶の保存時間も(他の場所の像から送られるものより)短くなるはず、と考えると心情以外にもデメリットはあるがこれも誤差といえば誤差(※せいぜい数分程度)だからいいのかな。Nomaiの考えることは分からん。別の可能性があるとすれば、2つの像は探査機追跡モジュールの像のように太陽ステーション自身の状態を記録・モニターするための像だった説は無くもないかも。そういうものがあったという証拠は無いが。
- ところで話の流れ上「あんなところで待機したいと思うNomaiはいるのだろうか?」と書いてはみたが、超新星爆発を間近で見られるなんて普通の人生ではまずありえないチャンスだし、逆に何がなんでも見たいと志願するNomaiが何人もいても全然意外ではないなとおもいました。像とペアになったあとでないと見た記憶は残らないけどね。それでもね。
- ↓ここからDLCの話題↓
- Reddit:*tapping noises* : outerwilds/噴いた。
- なぜEscallの『船』だけが『宇宙の眼』の信号を受信して、それ以外の部族(あるいは他の知的生命体)は受信しなかったのか。受信していたとしてもなぜ『眼』の星系に来なかったのか。これらは本編の時点でも謎だったことですが、DLCの新情報によって「なぜ『流れ者』種族がNomaiより先に『眼』の信号を受信したのか」が追加されてしまった。これに関しては完全に憶測に憶測を重ねることになるが疑問をいくつかに分けつつ考えてみたい。
- まず疑問なのは、『眼』の信号は一体いつから発信されていたのか。『流れ者』の住人たちが母星にいた頃にも天体観測は行っていたはずだが、あの日あの時あの人が偶然信号を受信するまで『宇宙の眼』の存在は誰も知らなかった。それまで『眼』は信号を発していなかったのか?
- もし信号がずっと前から存在していたのなら、信号の観測技術を持つ知的生命体がそれを見つけて『眼』を目指していてもおかしくなかった。もちろん『眼』が信号を発していた期間が長いほど信号が発見されるチャンスは増える。が、実際そうはならなかった。結局宇宙の終わり間際まで『眼』に来る奴は誰もいなかった。おそらく。
- ざっくり言ってこれだけの可能性がある。
- 可能性1:『眼』は宇宙の終わり前(数十万年前?)になっていきなり信号を発信し始めた。
- (距離的な都合で)真っ先に『眼』の信号をキャッチした『流れ者』住人たちがいち早く『眼』の星系に到達し、信号を妨害したことでそれ以降『眼』の信号を受信する種族がいなくなった(Escallの『船』を除いて)
- 可能性2:『眼』はずっと信号を発し続けていたが、宇宙の終わり前まで誰もそれを受信しなかった。
- 信号を受信したのは『流れ者』母星の住人たちとEscallの『船』だけだった。
- 可能性3:(『流れ者』種族、Nomaiたちより先に)『眼』の信号を受信した知的生命体は存在したが、『眼』に到達することはなかった。
- 信号を受信したが、意味が分からなかった。
- 信号を受信したが、色々あって全部見逃した。
- 信号を受信したが、深宇宙まで旅する技術を持っていなかった。
- 信号を受信したし深宇宙に旅する技術もあったが、旅に出るような気分じゃなかった。
- 信号を受信して『眼』を目指した者は存在したが、なんやかんやあって途中で挫折した。
- 可能性4:実はすでに『眼』に到達した知的生命体は存在したが、何もせずに帰った。
- 一切痕跡がないので否定できないが肯定もできない。考えるだけ無駄。
- これずっと書き続けたらWikipediaの『フェルミのパラドックス』のパロディみたいにならない?大丈夫?
- 可能性1:『眼』は宇宙の終わり前(数十万年前?)になっていきなり信号を発信し始めた。
- 確かにそうだわ。このへんで止めよう。えーと、そもそも『眼』がいつ頃から存在しているのかも疑問に思えば疑問だが流石にそこまでは考えようがないからこれも今回は止めておこう。
- 『眼』が宇宙の終わり際になって初めて信号を発したとするなら、それこそ『宇宙の眼』は宇宙を再誕生させるための存在であるかのように思えてきてしまうが、『流れ者』の住人たちが見てしまった例の分析ビジョンを考えるとそうとも言い切れないので困りものである。何がしたかったんだ、『眼』は。
- もうひとつの疑問。『眼』の信号はどこまで届いていたのか。『眼』の信号がどういった性質のものだったのか分からないので実際のところは何とも言えない。DLCのラストで見る囚人さんのビジョンでは『眼』の星系周囲の3星系、主人公のビジョンでは更にその隣の2星系まで届いている(参考:上が囚人さん、下が主人公のビジョン)のが確認できるので、最短でもこれくらいの距離までは届いていたと考えていいだろう。ただし主人公のビジョンは主人公による憶測も含まれている可能性があるので証拠としてはやや弱い。これだけの距離まで広がる性質の信号が急にガクッと消えてなくなるとは考えにくいので妥当な憶測ではあるが。
- もちろん信号が遠くに行けば行くほど知的生命体に観測されるチャンスは増えるが、観測された場所が遠くなればなるほど『眼』に来てもらえるチャンスは減っていく。仮に『眼』の位置的な情報が少しもズレることなく受信側に特定されたとしても、恒星間航行を余裕で可能とするワープ技術でもない限りはそんな遠くの星系にまで旅しようと思う奴はなかなかいないからだ。
- そのうえ信号が受信されたからといって、必ずしもその誰かが『眼』を目指すとは限らない。例え『流れ者』の住人たちが信号を遮断しなかったとしても『眼』の星系に訪れるヤツなんて元々いなかった可能性さえある。そう考えるとEscallの『船』はとんでもない奇跡を引き当てたのだとしか言いようがない。Escallたちが『眼』の信号を見つけたのか、『眼』の信号がEscallたちを見つけたのか分からないレベル。
- そして「なぜ『流れ者』種族がNomaiより先に『眼』の信号を受信したのか」について。去年12月14日の雑談でアンコウの化石から時系列を考える珍説を出しましたが、化石云々を抜きにしても、第5惑星の件を考えれば『流れ者』が『眼』の星系に到達してからEscallの『船』が信号を受信するまでにはそれなりの期間があったのはほぼ確実である。
- この「それなりの期間」が曲者で、場合によってはこの期間中に「Nomaiの宇宙進出」「Nomai文明の発生と進歩」「Nomaiが知的生命体に進化」といったイベントが発生していた可能性まで考えられる(流石に最後のは無いか)。Nomaiが信号を受信できる技術を手に入れたのは『流れ者』種族が『眼』の信号を遮断した後だったのではないか。それがNomaiの宇宙進出より後のイベントだとは考えにくいし。ざっと書いてみるとこうなる。
- 『宇宙の眼』が信号を発する(※時期不明)
- 『流れ者』種族の母星で信号を受信する
- 『流れ者』が『眼』の星系に到達するが、色々あって信号を遮断する
- 片角の住人が『眼』の信号を一瞬だけ開放する。信号はふたたび遮断される
- 遮断前に発信された最後の『眼』の信号がNomaiの母星を通過する
※当時のNomaiはまだ信号の受信技術を持っていなかった - Nomaiが宇宙進出を果たす
- Annonaがワープコア技術を開発し、Nomaiが宇宙に散り散りになる
- Escallの『船』が偶然信号を受信する
- なお、更に厳密に考えるなら『眼』からの信号が伝わる速度や送られる頻度(※補足:信号は「ほぼ常に」「周期的に」「不規則に」発信された可能性があるが、ビジョンの描写を鵜呑みにするなら「周期的に」が正しい?)も影響すると思うが、そこまで憶測に憶測を重ねる必要はありますか? 今回はこのへんにしておいてやる。(追記:20220401:ちょっと補足/20220528:更に補足)
- エンディングでの囚人さんの問いかけに対する主人公側の選択肢
『一緒になろう。何が起きるか見てみよう。』
は、英語原文だと『Join us. Let’s see what happens.』
と言っている。この『Let’s~』は「(とりあえず)様子を見てみよう」といったニュアンスの定型句らしい。へー。英語がサッパリゆえこういうことを全然知りません。しかしそうなると、あの重い選択に対して案外テキトーなノリで答えてたのか、主人公。あと『Join us.』はジョイナスだからいいけど、日本語だと『us』の部分を省けてしまうため若干プロポーズ的な趣が出てしまっている気がしたなあと初回プレイ時にも思ったが日記に書くのは我慢した。我慢とは。