Balatro
- 公式サイト:Balatro
- Steam:Balatro
- 開発:LocalThunk
- 発売:2024年2月20日
話題作なのでプレイ。ハマると時間が溶ける系のゲームと聞いていたが案の定溶けたので休憩のために紹介記事を書くことにした。どうでもいいおまけ付き。
※この記事はSteam版(PC)のゲームプレイ内容を参考に書いています。モバイルアプリ版(App Store/Google Play)とは操作方法などが異なる場合があります。
(2025年3月22日:公開)
魂は賭けなくていい1人用ポーカー
『Balatro』はトランプのポーカーとローグライクを組み合わせた全く新しい…かどうかは知らないがそういうゲームです。カードを手札から5枚出して良い役(ハンド)が出ていたら勝ちというあのポーカー。本作は1人用のゲームなのでプレイヤー同士でカードを出し合うのではなく、出したカードと役やその他要因によって決まるスコアで勝敗を決めます。規定の手数(ハンド数)の間に規定のスコアを出せたら次のゲームへ、出来なければ死。
ポーカーといえば賭け金を上げたり賭け自体から降りたり花京院の魂を賭けたりといった駆け引きの要素があるゲームであるが『Balatro』ではそういうのはありません(いわゆるビデオポーカーに近いシステム?)。最低でもポーカーの役だけ知っていれば普通にプレイは可能と思われる。
ではポーカーの役(ハンド)の説明…が必要な人は多分あんまりこのゲーム買わないんじゃないかな。省略。Wikipediaの説明でも見てください。プレイ中の画面の『ラン情報』ボタンからも一覧が確認できます。その他の細かいルールはチュートリアルを見れば分かると思うが自分の環境だと言語を手動で切り替えないと日本語にならなかったので日本語しか分からん勢はそこだけ注意。

ゲームの流れとしては、それぞれ『スモールブラインド』『ビッグブラインド』『ボスブラインド』の3体の敵がいる8段階のステージを勝ち進んで最終ボスを倒せばクリアとなる。この敵というのが『ブラインド』、ステージが『アンティ』という呼び名になっている(どちらもポーカー用語が由来らしいが本来の意味とは少し違うので特に気にしなくても大丈夫と思います)。なおゲーム開始からゲームオーバーになるまでの一連の流れを『ラン』という。
各ブラインドはゲームが進むごとにちょっとずつ要求スコアが増えていく。スモールとビッグは要求スコアの大小しか違いはないがボスブラインドはそれぞれ固有の能力を持っており、攻略には特別な対応が必要になる。どの能力を持つボスが来るかはランダム。それまでは調子良く進んでたのにボスの能力と相性が悪くて…みたいな展開もよくある。そのあたりはいかにもローグライクである。
ちょっと特殊な点として、ボス以外のブラインドはプレイせずにスキップすることも可能。ブラインドをスキップした場合、倒したあとの報酬などが得られなくなる代わりに特殊効果のある『タグ』が手に入る。本作では各ブラインドを倒したあとにショップが利用できるのだがそこで買えるものが一部無料になるとか、次のラウンド中に手札の数が増えるとか色々ある。どの効果のタグが貰えるかはスキップ前に確認できるので「戦うよりこっちのほうがいいかも?」と思ったらタグを選ぶのもアリ。
ジョーカー✕ジョーカー
ここからは『Balatro』の最大の醍醐味であるジョーカーの説明。前述の通り本作ではゲームが進むごとにステージクリアの要求スコアが上がっていくわけだが、普通にポーカーの役を出しているだけではそれに対応できるはずがない。そこで登場するのが特殊効果を持ったジョーカーのカードたちです。その数なんと全150種類(※最初から全開放ではなくアンロック式)。この大量にあるジョーカーの能力を組み合わせることによってより高いスコアを出していくのがゲームの攻略ということになります。
能力の中でも分かりやすいものから一例を挙げると『ワンペアを含む役を出したらチップが+50になる』『ハートのカードがスコアされた場合に倍率が+3になる』などがある。このチップと倍率というのはプレイ画面の左欄でそれぞれ青・赤で表示されているが、見ての通りこれらを掛け算した数がそのハンドのスコアということになる。チップと倍率は役ごとに基礎点的なものが設定されており、例えばフルハウスは40✕4で計算される。この数にカードのチップ数とか、ジョーカーで付与された倍率とかが追加されていくわけだ。
なお上記の『ワンペアを含む』という条件だけを見ると「ワンペアなんて全然高得点の役じゃないじゃん」と思うかもしれないが、実はこのジョーカーはツーペアやフルハウスといった「役の構成にワンペアの組み合わせを含む役」でも発動する仕様になっている。よって上記の2枚のジョーカーを持っている状態で「ハートのカードを含むフルハウス」を出すと両方のジョーカーの能力が発動するわけです。このように大した効果ではなさそうなジョーカーでも一応持っておくと意外なところで役に立つ可能性は十分ある。「ジョーカーに「強い」「弱い」の概念はない」の考え方が大事です。ジョーカーを並べる順番も点数計算に影響したりするので(※能力は左のカードから順に発動するので『倍率✕2』のカードは『倍率+4』の右に置いたほうが得、とか)。
プレイ中にどのジョーカーが手に入るかはランダムなので、良い効果のジョーカーが手に入るまでの繋ぎとしてちょうどいいカードを選ぶのも重要な戦略になる。特に序盤はチップか倍率が増えるジョーカーはとりあえずでも確保しておくのが安定に繋がるのでグッドでしょう。不要になったジョーカーはカードをクリックして売れば処分できるので「確保したはいいが邪魔になってしまった」ということは起きない。状況に応じて必要なジョーカーを取っ替え引っ替えしていくのは『Balatro』のローグライク的な要素の最たるものと言えるでしょう。ちなみに売ることで効果を発揮するジョーカーといったものもありますよ。
チップの数はトランプのカードごとにも設定されている。エース(A)は11点、キング・クイーン・ジャックのフェイスカードは10点、2~10のナンバーカードはそのままの数字の点になる。通常は高い点数のカードで役を作るのがベストだが、特定の数字やフェイスカードやトランプのマーク(スーツ)にチップや倍率が追加されるジョーカーを持っている場合はその条件で役の構成を決めるのが良い。
ちなみに上記の『スコアされた場合』というのは、本作ではカードを場に出す時に不要なカードも一緒に出すことができるのでそういう区別があるのである。例えばワンペアしか成立しない組み合わせであっても「ついでにこのカードもいらないなー」と思ったら同時に出してしまってOKなんです。プレイヤーは役を作るときに『ディスカード』で要らないカードを捨てて引き直せるが、前述のボスブラインドの能力には「ディスカードの使用回数をゼロにする」「特定の種類のカードを無得点にする(※ゲーム中では「デバフ」と表記)」といったものも存在するので、ディスカードが使えない or 使用回数を節約したい状況では必要なテクニックになる。
また、ゲームをプレイしていると、時々キラカード的なジョーカーが手に入ることがある。これはエディションによる効果が付与されたジョーカーで、カードが持つ能力に加えて更に『チップ+50』『倍率+10』『倍率✕1.5』などのお得な効果が付いている。これらは役を出せば無条件で発動するのであればあるだけ嬉しい。また『ネガティブ』のエディションを持つカードはジョーカーの最大所持数にカウントされない、つまりジョーカーが1枚多く持てるという地味にすごい仕様になる。使いたいジョーカーに付いていたらかなりラッキー。
消耗カード
ジョーカーを組み合わせる以外にもスコアを伸ばす方法は色々ある。例えば消耗カードの活用などです。『Balatro』にはトランプやジョーカー以外のカードも登場するんです。

- 惑星カード:役をパワーアップさせる。役が持つ基本のチップ数や倍率が増える
- タロットカード:ジョーカーやトランプをパワーアップさせたり、資金を増やすなど様々な効果がある。以下は一部の例
- 女教皇:最大2枚の惑星カードを生成(※消費スロットに空きが必要)
- 塔:選んだトランプを1枚ストーンカードに変化させる(※スーツも数字もないカード。出せば50チップ加算される)
- 死神:選択した2枚のカードのうち、左のカードを右のカードに変換する
- 運命の輪:ランダムなジョーカーに4分の1の確率でエディションを付与する(※『ネガティブ』は除く)。
なにが「いいえ!」
だ
- スペクトルカード:タロットカードより更に大きな変化をもたらすカード。リスクと引き換えのカードが多い。以下は一部の例
- ファミリア:ランダムな手札1枚を破壊して強化されたフェイスカードを3枚取得
- レイス:ランダムなレアジョーカー1枚を取得。引き換えに資金がゼロに
- エクトプラズム:ランダムなジョーカーを『ネガティブ』状態にする。引き換えにハンド数が1減る
- ブラックホール:惑星カードを全種類1枚ずつ使うのと同じ効果!
…といった感じ。なかなか良いジョーカーが引けなくても惑星カードやタロットカードで役やトランプを強化したりしていくと案外戦えたりします。スペクトルカードは出現率はややレアですが、効果が極端なカードも多いので使いどころが難しいという印象。
意外と大事なのはお金を増やすタロットの『隠者』(※資金2倍・上限あり)と『節制』(※手持ちジョーカーの売値分のお金ゲット)でしょうか。本作はどのカードを手に入れるにも基本的にお金が必要なのである意味お金が一番大事です。そう、『Balatro』最強のカードはドル札そのものだったのだ。

ひどいオチをつけたところで簡単ですが『Balatro』の紹介は終わりです。難易度の話とかやりこみ要素とかについては各自プレイして確かめてください。
おまけ(本編):わたしが好きなジョーカー
ここからは筆者が好きなジョーカーについて書きます。なお『好き』の基準は『絵柄が好き』『効果が好き』などであって強さとか攻略法とかそういうのは知りません。こっちだって苦労してるんです。

※左から順に
- ベースボールカード:他のアンコモンジョーカーがあると1枚ごとに倍率×1.5。というのは置いておいて絵柄が良すぎる。ピエロ恐怖症が見た悪夢感。
- フォーフィンガー:ストレートやフラッシュが4枚のカードで成立する。絵柄も効果も好きなジョーカーだが倍率やチップは増えないのでこういう系のジョーカーばかり集めていると早々に詰むジレンマ。
- ショートカット:ストレートの役が『10-8-6-5-3』のように1ランク差があっても成立するようになる。取れるとうれしい。絵も好き。
- ミスプリント:0~23までのランダムな倍率をプラスする。毎ターン運ゲーになるが強いときは強い。私はこれで初勝利を決めました。説明表示のバグってる感も良い。
- スメアードジョーカー:スペードとクラブ、ハートとダイヤがそれぞれ同じ色と見なされるようになる。実質フラッシュ撃ち放題になるが倍率やチップは増えないので以下略。

- ランナー:ピエロ恐怖症が見た悪夢その2。ストレートを出すごとにチップ+15。育てると強くなる系ジョーカーは1枚持っておくと結構頼りになる。
- レイズドフィスト:手札にある最低ランクカードの倍の数値を倍率に加算。コモン枠で比較的手に入りやすいが意外と有用。
- ブルージョーカー:デッキに残っているカードの枚数ごとにチップ+2。ショップでトランプを増やしていくと結構役に立つ。これもコモン枠で入手しやすい。
- グロスミッチェル:倍率+15の強カードだがラウンドごとに6分の1の確率で消滅する。あまりにもバナナ。すべての『Balatro』プレイヤーはバナナの生死を血眼で見守った経験が一度はあるはずだ。

- 詐欺師:2~5のカードが2回ずつ発動するようになる。絵柄の妙な哀愁がたまらない。なお英語版だと『Hack』というそうです(Balatro Wikiより)
- スプラッシュ:ハンドとして出した全てのカードがスコアされるようになる。よって最弱の役・ハイカードが地味に強くなったりする。コモン枠で意外と役に立つジョーカーのひとつ。
- ブル:持っているお金$1につきチップ+2。あまりにも牛。
- キャンプファイヤー:カードを1枚売るたびに倍率×0.25するがボスブラインドを倒すとリセットされる。あまり使わないが絵は好き。初見時は効果と名前の意味が一致しなかったんですけどカードを薪(燃料)にしてるイメージなんですかね?

- ヴァンパイア:プレイした強化カードの強化をはぎ取る代わりにこのジョーカーが持つ倍率が×0.1ずつ増えていく。これ単体ではあまり使わない。
- ミダスジョーカー:プレイしたフェイスカードをゴールドカード(※ラウンド終了時に手札に持っていると$3ゲット)に変える。これをヴァンパイアの右に配置しておくとゴールドはぎ取りで倍率アップ→ゴールド再付与が延々できるので面白いがどちらもアンコモン枠のカードのため揃えるのが難しいのが難点。パレイドリアのジョーカー(※すべてのカードをフェイスカードと見なす)も組み合わせたらもっと楽しいことになると思うが現時点で実現していない。
- カードシャープ:ラウンド中に出したことがある役を再度出すと倍率が3倍になる。同じ役ばかり出す戦略の時に強い。絵柄の胡散臭さが気になる。
- 星座:Jimboは星になった……