大魔王復活
「グオオ 大魔王ガノンふっかつが もう すぐそこだったのに…」「リンク! これで おわったとおもうなよ」「ぎしきは ふかんぜんなれど このカラダを ガノン にささげ ふっかつさせようぞ!!」 そういうパターンかー。突然バアさんの体を捧げられたガノンの心境やいかに。
滅び 、嘆き 、そして絶望の炎 の力をその身に取り込み始めたツインローバ。辺りが闇に包まれるとツインローバの姿が影のように変化。そこから豚の顔 をした怪物が出現した。大魔王ガノン が復活したのだ。
だがどうも様子がおかしい。「グオオオ……グガガガガッ‥‥」「ミナ‥ゴロシ……ヤミ…ハカイ…!」 どうも儀式が不完全だったせいで正気がない感じですね。やばいね。
もちろん会話などできるはずもなく即座に戦闘開始。ラストバトル だ。どんな攻撃を仕掛けてくるかと思いきや、そこはゼルダシリーズ大好き なカプコンさん。やっぱり初代オマージュ です。姿を消しながら移動しつつ三叉の矛で魔法弾を撃ってきます。ここまで来るとニッコリ微笑むしかない。好きすぎるでしょ、ゼルダ。
といっても当然それだけではなく別の攻撃も仕掛けてくる。ちょっと戸惑ったのは突然部屋全体が青いギラギラした空間 になって十字キーの操作が真逆になるやつ。どこで覚えてきたこんなの。ギラギラが目に悪いのでプレイヤーにもダメージ。あとは床に掌底を繰り出して地響きでリンクの動きを止めてくるなど。この時のドット絵が渋くてちょっとカッコイイぞ。
ガノンの攻撃方法はともかくリンクの攻撃は剣によるダメージが全部通るようなのでとにかく隙を見て斬るのみ。そして決着がついた。
「グゴゴ…グガガガッ…! ワレハ ガノン …ヤミノ マオウナリ……」 これだけ言い残してガノンはあっさり消滅。短い復活だった。
平和とラブコメ
ボス部屋に出現した階段を上がると儀式の間に戻ってきた。3つの炎は既に消費されて消えている。一方ゼルダ姫 は生贄にされる寸前だったものの最後の最後でツインローバが身を捧げたことで結果的に無事だった。
「…すべて おわったのですね ありがとう リンク」 やはりガノン復活の儀式は不完全に終わったようだ。リンクのおかげで姫を生贄にできなかったため邪悪な力だけが暴走した知性のないガノンが復活したのだろう、と全部解説 してくれるゼルダ姫。
リンクの力、知恵、勇気によってツインローバの企みであるガノン復活は阻止された。「これで人々の心にも キボウと やすらぎが もどるでしょう」「ほんとうに ありがとう あなたこそ 真の勇者です!」 姫には悪いが全然関係ない勇者 のことを思い出して一瞬噴き出しそうになった。かーるいす。
皆のところへ帰ろう。というところで儀式の間が突然崩壊し始めた。やはり悪役の根城 というものは最後は崩れるものなのか。だが逃げようにも岩の崩落が止まらず絶体絶命のふたり。
そこに突如として宙を舞う赤い花びら が。「やったわね! さすが リンクさま! きっと やってくれるって しんじていたわ!」「ここは わたしにまかせて!」
マカの木 の力によってリンクとゼルダ姫は無事に生還。やったぜ。流石は真・正ヒロイン 。マカの木の前にはネールとディンにインパが集まっていた。奇しくも女性ばかりである。
「おかえりなさい リンクさま! これで 世界はへいわなのね!」「わたし リンクさまのこと ちゃんと しんじていたんだから❤️」「そして きっと わたしのところに かえってきてくれる…って❤️」 この中で一番リンクに対して好感度が高いのが木 という事実。皆さんはどう思いますか。
マカの木は置いておいてゼルダ姫の前に立つネール。「おかえりなさい ゼルダさま そして リンクも」「すべて おわったのですね」 ネールが喋るとちゃんと真面目な流れに戻してくれる安心感があります。
「さすが、リンク!」「きっと なんとかしてくれると おもっていたわ」「また いっしょに おどりましょうね!」 ディンも安心した様子だ。インパおばちゃんも「リンク! さすが わたしの見こんだ男だよ」 と調子のいい発言。この場にラルフ がいないことに何か意図的なものを感じるのは私だけであろうか。まあ『大地』でクリアすればホロドラムのマカの木の前でこのやりとりがあるんだろうけども。
ゼルダ姫はあらためてリンクの手の甲の印が勇者の証であると話し始めた。大地と時空のことわりを知ったリンクはトライフォースの導きにより伝説の勇者 になったのだと。「ありがとう リンク あなたのおかげです!」
そんな大真面目な話をしたゼルダ姫はおもむろにリンクのそばに近付き、その頬に……や、やったッ!! この姫様、ここに来て一発逆転 を狙ってきたぞ。一瞬でデレデレになるリンクと自分でやっといて照れ照れの姫。恋愛脳の マカの木も流石にこれには困惑顔。もしかしてこれも『リンクの冒険』オマージュ なのだろうかと少し疑う筆者。このゲームを作ったカプコンのスタッフならやりかねん。
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こんなベタなラブコメ ができるようになったのも世界が平和になったからこそだ。4人…5人? のヒロインとリンクたちの笑顔があふれるイラストが表示されたところでスタッフロール 。『大地の章』と同様にミニキャラとイラストの二段構えでその後の世界の様子が紹介されます。
すっかり日常生活に戻ったネールとラルフ 。レンヌの町の子供たちも二人を慕って集まってくる。ディン はラブレンヌの森でも踊りを披露。人間だけでなく森の動物も参加して楽しそう。リンクの旅を助けてくれたリッキー、ウィウィ、ムッシュ たちとの友情も続いている。ハイラル城に戻ったゼルダ姫 は夜空の流れ星を見つめて、これまでの出来事に思いを馳せるのだった。
スタッフロールおわり。『大地の章』はここで終わりでしたが今回は真エンドなのでもうちょっとだけ続く。リンクに試練を与えた3つのトライフォース が地上を見守るように青空に浮かんでいる。その姿が3羽の鳥に変わると視点は船 に乗るリンクと彼を見送る仲間たちへ。ホロドラム、ラブレンヌでの冒険を終えたリンクはまた新たな冒険 に旅立つのだった……というところでThe End の表示。お、終わった……。
このあとは合言葉が表示されたりもせず本当に完全クリア扱いの模様。スッキリ終わったのでこれで良いでしょう。ラストシーンが船で旅立つリンクというのはいかにも『夢をみる島』に続きそうな感じがするのだが、本作のプレイ記録第1回目に書いたとおり現在の公式見解 は『夢をみる島』の後が『ふしぎの木の実』となっている。後で調べたところ時系列に関しては実際二転三転した経緯があるそうで(『ゲームカタログ@Wiki 』の余談 の項目に解説あり)。まあ絶対に正解を決めねばならないものでもないし、本作に関してはカプコン時空 だと思っておいたほうが健康にいい気がする。考えすぎは体によくない。
クリア感想
というわけでクリアしました。感想ですが、とにかく大ボリューム 。『大地』『時空』単品でプレイしてもそれなりのボリュームのところを最後はこうまとめてくるのだから、ゲームボーイカラーのタイトルとは思えないほどやりごたえがありました。見逃したイベント、あえて飛ばしたイベントが複数あってもこれですからね(※今回のプレイはオンライン配信中のゼルダ5タイトルを1ヶ月でクリアする勝手な縛りがあったので合言葉イベントなどは意図的に飛ばしたものもいくつか) 。章のプレイ順交代や仲間にする動物の選別、指輪の収集などまで考えるとかなりのやりこみ要素があるのではないか。もしこれで本当に3タイトル同時発売 なんてことになっていたら開発者もプレイヤーも相当大変なことになっていたであろう。一度にゲーム3本買う子供 or 親 のほうも。
そして章ごとでイベントや謎解きのテイストが違う のも(各章がどういう開発コンセプトだったのかは知りませんが)なにげにすごい。元は初代の移植をやりたかったという話だそうですが、その要素は『大地の章』のほうにより強く出ている感じがあります。ボスのこともそうだがリンクの一人旅感 などが(動物の仲間はいるけど) 。対して『時空の章』はストーリーが付くようになった時代のゼルダ を意識している風な印象を受けた。ボスとの戦いも謎解き要素が入ってきて純粋なアクションだけでは倒せない相手が増えましたよね。どうせ作るのなら古いゼルダも新しいゼルダも両方やってやるぜという意気込みは随所に感じる。
一方で難易度 的には今までのシリーズをプレイした人向けという感じもあり。少なくとも(同じゲームボーイ系タイトルの)『夢をみる島』と比べると数段階ほど上がっているのは間違いない。やはりゼルダ大好きなおじさん達 が作っただけあって色々と力が入った結果なのは容易に想像できるが筆者のようなぬるゲーマーには少々厳しいところもあった。といっても『リンクの冒険 』ほどではないが。あれは別格です。色々な意味で……
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これで「ゼルダ最新作『知恵のかりもの 』をプレイする前にNintendo Switch Onlineで遊べる昔のゼルダをプレイしておこう企画」は一旦終了です。このあとすぐに『知恵のかりもの』を遊ぶかオンラインの追加パックに加入して64やGBアドバンスのゼルダを遊んでからにするかは現在考え中。予定は未定。それでは。
karayage