2023-11-18
- クリアしました。例によってサブイベント等は残っているが記録は今回でラストです。
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- じゃあ行くか、地の底。道中もラスボス戦も瘴気との戦いになると予想されるので対策に闇の塊入りのおにぎりでも持っていこう…と何の気無しに準備したが本当に用意すべきものは別にあった。後述。
- ハイラル城地底の根にワープ。最深部への入口がどこか少し探してしまったが普通にエレキライクとかがいる場所から行けた。下に降りるものとばかり思い込んでいて底から少し上に開口部があって洞窟が続いているのを見落としていた。よく考えたらそれっぽいBGMまで流れるのに何も関係ないわけがなかったのだ。
- 気を取り直して進むが地底の瘴気を帯びた魔物たちが行く手を阻む。雑魚はもちろんライネルまでいる。実は今作では戦ったことがありません。ならばここで戦うべきかと思ったが消耗を避けたいのでスルー。無理矢理突破したあと安全な場所にワープマーカーを設置して一次帰還。ちょっとずるいが世界の命運が懸かっているのでやれることは何でもやる。言い訳。
- ライネルを超えた先にも厄介な魔物がいる。瘴気まみれの床のエリアにアイスライクやアイスキースが配置してあるのは露骨じゃないかね。その先にあった四角い縦穴を降りると
『賢者の力が届かなくなった』
とのメッセージ。賢者の分身を呼び出すことが出来なくなった。そろそろか。
- 洞窟はまだ続く。瘴気魔とファントムガノンを一応倒し、崩落で出来た岩壁を破壊しながら進むと神代の遺跡なるエリアに出た。石が放つ緑色の輝きに照らされ瘴気もいくらか少なめ。
- そこを抜けると見覚えのあるものが。ゲーム冒頭で見た壁画の間だ。ずっと探してたやつだ。左から順にゾナウ族降臨、ハイラル建国、王妃の死、魔王の誕生。この先は崩落した岩で隠されていて見えなかったのだ。今こそ続きを見る時だ。
- まずは回想シーンですでに見ていた魔王と賢者たちの戦いの壁画。その次はゼルダ姫が朽ちたマスターソードを受け取った瞬間が描かれている。そして最後の絵は…白龍となって天に飛び立つゼルダと彼女を見送る人々の絵だった。おお…。ゲーム冒頭で見ていたらネタバレどころではない絵じゃないか。意味が分かるかは別として。執事ゴーレムまで見送りメンバーに加えられているのが泣かす。リト族、ゲルド族、ゾーラ族、ゴロン族はいいとして左右にそれぞれハイラル人の男女と思われる人物がいるのが少し気になる。どれが誰とか特定すべき絵ではなくハイラルの皆が姫の覚悟の決断を見守っていたということなんだろうか。このときミネル様はプルアパッドの中にいたのでもちろん描かれていない。
- 最後の戦いの前に決意が新たになった。かつて姫と歩いた通路を進み階段を降りる。ラウルの腕から出る光の渦巻きを見た封印の跡地。その下に暗赤色に染まる深い深い穴があった。
- 瘴気満ちる魔窟をパラセールで降りてもまだ先がある。ゾナウ遺跡の飛び込み台のようなものがある。おそらくここが終点だろう。底は暗く光る心臓のよう。地底に張り巡らされている瘴気の根が集まって出来た禍々しい壁が洞窟の入口を塞いでいた。
- そこに降り立ったリンクを待ってましたとばかりに歓迎する魔物の皆さん。いや数が多いよ。ボコブリンボコブリン、ボスボコブリンとボコブリン。どうしたもんかという場面で5人の賢者が颯爽と登場。初対面のミネル様もいるのに全員のポーズが完璧に決まった。みんなありがとう。きっと来てくれると思っていました。具体的には
『賢者の力が届かなくなった』
のところで。もし分身呼び出しが使えるままだったら賢者が2人ずついて変になるから使用禁止にされたのだろう。
- 魔王ガノンドロフの軍勢との戦闘。敵は多いがこっちも6人だ。ボコブリン達を倒し終えたところでリザルフォスの追加投入。これ以降も同様にギブド系、モリブリンと魔物のおかわりが続いたが仲間たちの協力もあり全て撃破。行く手を阻んでいた瘴気の根の壁が消えた。
- 壁があった先から漏れ出す瘴気に気付いたシド。あの先に魔王がいるのか? その疑問について語る間もなく意外な方々が登場。お前は!フリザゲイラ!ミネル様の奪われしゴーレム!オクタコス!クィンギブドにボルドゴーマまで!! セリフはなかったが「お前たちが仲間の力を使うならこっちも仲間で挑むまでだゲイラ」とか「今こそ我々の力を思い知らせる時タコ」とか「わらわ達の力があれば貴様らなど一捻りギブド」とか魔物の言葉で言っていたかもしれない。雑な語尾。
- こいつらは自分たちの因縁の相手だ。ボス達を引き受けリンクを先へ送り出す覚悟の賢者たち。戦いの余波で岩が崩落し皆と分断されてしまった。そんなー。あの魔物パーティ側がどう戦うのか少し見てみたかった気も。連携とか取れるのかあいつら。
- などと言っている場合ではない。瘴気の源流を突き進み辿り着いた先にミイラ男ことガノンドロフがいた。プレイ初日以来の本人との再会。瘴気の根で出来た禍々しい台座の上に静かに座して待ち構えていた。ガノンドロフは今の世が忌むべき光に溢れ、安穏を貪る腑抜けた現代人が跋扈していることを嘆いていた。
「かつての方が まだ気概を感じたものよ…」
なんと分かりやすい老害発言。老どころじゃないが。
- ミイラの目に邪悪な光が宿り額の秘石が光を放つ。掲げた右手に瘴気のエネルギーを集めると一気に放出。溢れ出た瘴気の中から筋骨隆々の男が現れた。かつての健康体を取り戻したのか。裏地がオシャレな衣装まで復活。
「これよりこの地をあるべき姿に戻す。」「世界は我が統べる 我が定める」「…それこそが王である」
うーんストレート。理由など要らぬ。王だから王なのだ。これぞ絶対悪。
- 封印より蘇りし者・魔王ガノンドロフ。ラストバトルだ。黒い刀身の刀を抜き雄々しくリンクの前に立つガノンドロフ。敵ながらシブいぜ。しかし流石は魔王、強い。強いぞ。ただただシンプルに強いだけでなく瘴気攻撃で最大HPをガンガン削ってくる。通常の回復アイテムの意味がない。ガードジャストで若干怯むなどの人間らしい反応も見せるが今までゴリ押し気味の戦闘スタイルに頼ってきたのでなかなか安定して出せない。小手調べにもならぬわというおじさんの煽りに反論できません。
- それでもどうにか第一形態はしのぎ切った。HPバーを削られてもガノンドロフは余裕綽々。更なる力の解放を望んだガノンドロフに『闇』の字が刻まれた秘石が応えた。瘴気の幕の奥から秘石の力を開放せし 魔王ガノンドロフが御登場。かつて秘石を手にした賢者達をも震え上がらせた赤鬼形態である。いやー、この絶望感…。HPバーが定位置を飛び出し画面右端まで伸びたのはギャグでも笑えん。
「幕引きの時間だ」「今度は腕だけでは済まさぬ」
ヒエエエ。
- 更にダメ押しで魔王の分身まで登場。もう笑うしかない。いくらか用意してきた瘴気用回復アイテムもとっくに尽きてます。もっと潤沢に持ってきておけばこんなことには…。終わったな世界。
- というところでチューリの声。フリザゲイラに勝ったのか。続いてユン坊、シド、ルージュ、ミネル様も参戦。戦うのに必死で見る余裕がないがそれぞれ分身たちを引き受けてくれているのだろう。頑張れ皆。リンクはもうダメだ。
- などと言って終わるはずもなく。HPが半分ほど削れたところでガノンドロフは分身を瘴気に戻して内に取り込み再放出。賢者たちを打ち払った。一瞬で全員がノックアウト。無茶苦茶しやがる。あらためて得物の刀身に瘴気を宿らせるとリンクに対し挑発の指クイクイ。完璧にナメられている。
- ここからのガノンドロフがまた強い強い。瘴気による遠距離攻撃はなんとか避けられるがこちらの攻撃がほとんど入らない。マスターソードでただ斬りかかるとラッシュ時のようなスローモーション演出が入りあっさり回避される。その後すかさずカウンターまで決めてくる。攻撃を見極めようにもリンクのHPにはまったく余裕がない。第ニ形態突入時でハート9個しかなかったよ。もはや回復手段も尽きているというのに割れたハートが更に砕けて最大HPを戻すのも不可能に。常にゲームオーバーが目前の状況。妖精がHP5で生き返らせてくれるのだけが頼り。
- その妖精も使い切ってしまった。もはやこれまでと覚悟したそのとき、ハート残り2のところで魔王ガノンドロフに最後の一撃が届いた。うおおおおおお。誇張抜きに心臓がドッキドキ鳴っている。やったか? やったのか?
- 胸をかきむしり大きく後ろにのけぞるガノンドロフ。浮いてるとかではなく足はしっかり地面に付いている。体幹がやばい。万物を統べる全能の王である我が、ただの人の子一匹に。負けを認められぬガノンドロフはヤケクソとばかりに額の秘石を引っこ抜いた。あっ。
- あるべきものがなくなった額の穴からドス黒い何かがボコボコ湧き出ている。最早自我も肉体も要らぬ。そう言い放ち魔王は闇の秘石を自らの口の中に押し込んだ。そうきたかーー。自分の存在そのものを利用して世界を永劫の闇に沈めるつもりだ。なんという妄執。文字通り鬼の形相で苦痛に耐えるガノンドロフ。見開かれた双眸に異形の光が宿った直後、強烈な光の球が魔王の姿を覆い隠した。かつての厄災を思わせる禍々しい光をまとう長い黒い何かが出現。そいつはリンクの体を掴み取り……
- 今なお空に浮かぶハイラル城。その真下から新たなる危機が現れた。真っ赤なたてがみを持つ巨大な黒い体。威圧的な形の角を何本も頭に戴き、瘴気をまといながら天へと伸びる。魔王が変じた存在、黒龍である。いやーーこうなるとは。まだ何も分かっていなかった序盤に「へー今回は白龍なんてのがいるのか、黒龍はいないのかな」なんて思っていた頃もありましたがまさかの展開よ。
- それでリンクはどこだ。黒龍のキバとキバの間に挟まっていた。勇者を歯間ブラシ扱いとは恐ろしい奴だ。リンクは痛そうにはしていないものの体を引き抜こうにも抜けない状況。
- そんなリンクがふと顔を上げると、なんとあの白龍がこちらに向かって飛んでくるではないか。ほ、細い。細いよ白龍。むしろ黒龍がデカすぎるのか。一直線に向かってくる白龍を大口を開けて威嚇する黒龍。目の前の存在が自らの怨敵であると認識したのだろうか。生意気にも進路妨害をする小さい龍にガブリと食らいつこうとするがその黒い牙を白龍はひらりと避けた。龍歴は姫のほうが長いのだ!
- 黒龍が口を開けてくれた結果リンクは離脱に成功。パラセールも広げず自由落下するリンクを白龍の額がすかさずキャッチ。姫!!!!
- こんなの泣くしかない。本当に自我残ってないのか?何も覚えてないのに助けてくれたの? 優しすぎるよ白龍。よく考えたらゼルダとしての自我は無くても白龍には白龍としての自我があるのだろうな。マスターソードの一件で何かリンクに対し絆のようなものが生まれていたのかもしれない。少なくとも剣を引き抜いた時点で「頭の上から振り落とさないでいてやろう」と思ってもらえる程度には存在を認められたみたいだし。知り合いがやばそうな奴に絡まれてたから助けに来てくれたのか。
- だが黒龍もこのまま黙ってはいなかった。まんまと逃げおおせたリンクと白龍へ怒りの咆哮。すげえ闘争心。遠ざかろうとする白龍を黒龍が追い越しUターン。二対の龍は正面対決の構えになった。白龍の額の上で立ち上がりマスターソードを抜くリンク。退魔の剣の輝きを目にして怒りの形相を見せる黒龍。本能的にこの人間を敵と見なしたようだ。
- これが本当のラストバトルだ。空中戦だ。姫と一緒だ。これで燃えないわけがない。が現在HPは2しかないので慌ててメニュー画面を開き食事タイム。締まらねえ。瘴気によるダメージは地上に来たから自動で元に戻っていた。
- まずは敵の観察タイム。見やすいようにか黒龍の上を飛んでくれる白龍。助かります。攻撃手段は口から瘴気の球を放ってくるくらいか。数が多いが避けられないほどではない。思い切ってパラセールで落下してみると黒龍の背中に瘴気が漏れ出す部位があるのに気が付いた。目のような形に開かれた部位が4箇所ほど。その瞳に相当する部分に気味の悪い目玉の集合体がある。まるで腫瘍のような形の何かをマスターソードで斬りつけると黒龍にダメージ。これが奴の弱点か。
- 苦しみもだえる黒龍の体から離脱。パラセールで宙を漂っていると白龍がやってきて額に乗せてくれる。こんなの泣くじゃん。一撃目と同様に他の弱点部位も攻撃していく。黒龍の表面は瘴気に満ちているので弱点以外の場所に降りると瘴気ダメージを受ける。
- とはいえここまで来たら負けはない。4つの弱点を葬り去ると世界は赤黒い闇に染まった。まさにこの世の終わりの光景。傷ついてなお戦いを止めようとしない黒龍の額に先程までは存在しなかった光が見える。秘石だ。いつのまに出てきたのか。リンクの体より大きい。
- 指示されなくても何をすべきかは分かる。黒龍を龍たらしめている闇の秘石をマスターソードで攻撃。赤き月の下で痛みに悶える黒龍。無論リンクは容赦などしない。あらためて体勢を整え剣を構えたところで『とどめ』の表示が。
- 言うまでもなくYボタンを押す。両手で退魔の剣の柄をつかみ渾身の力で秘石のヒビ割れに突き立てる。黒龍に振り落とされたリンクをフンワリと頭に乗せてくれる白龍。驚愕したように目を見開く黒龍の横を無関心そうな顔でするりと通り抜ける。クールビューティよ。
- なおも高き天へと向かわんとする黒龍。しかしその野望は叶わず長い巨体はボロボロと朽ちていく。崩壊する体から漏れた光が巨大な光の柱となって、世界の闇は打ち払われた。まぶしい太陽の光がハイラルの大地を照らしている。
- メインチャレンジ『ガノンドロフ討伐』クリア。戦いは終わったが話は終わらなかった。リンクの右手が青く輝いている。そこから神々しい光が溢れ……
- ……なんか服が脱げた。下は履いてる。セーフ。ここはどこ。見渡す限りの青い雲。宙に浮くリンクの下を瞑目しながら漂う白龍。リンクの右手の甲からこぼれる光が白龍の頭に注がれている。
- リンクが右手の輝きを見つめていると、ふと背後に半透明のラウルとソニアが現れた。とても穏やかな表情。輝きを増した右手の甲に二人が手を重ねる。
- 白龍に送られる光が強まった。温かい光の粒が白龍の体全体を覆う。そして龍は…自分が人間だったことを思い出した。
- ゾナウ装束のゼルダの姿がそこにあった。奇跡だ。意外と驚かないリンク。なんでだよ。だが自分の右腕を見てやっと少しビックリ。ラウルから貰った黒い腕じゃない。元に戻ってる!! 今まで青く光っていた半透明ラウルの右腕も元通りに。その右手を隣のソニアに差し出すラウル。いつも祠の像で見ていた構図だ。手を取り合った二人は優しい眼差しでリンクを見つめ、何も言わずに消えていった。
- リンクは青い光の奔流に包まれる。いま見た光景は幻なのか?それとも…
- 何も分からぬまま意識が途絶え、目覚めた。ハイラル上空から真っ逆さまに落下中。上半身裸で。そんなことある? 我に返ったリンクの眼下にゾナウ装束のゼルダがいた。もちろん真っ逆さまに落下中。やばい。
- やばいやばいやばい。姫を追い急降下。これ失敗したらどうなるの? 考えたくないので考えない。急接近したところで『つかむ』の表示。あっ長押ししなきゃダメか。なんちゅう演出だ。元に戻った右手でゼルダの右手を握ったリンク。落下先を見つめる。やった湖だ!!助かる!! 姫をしっかりと抱きしめ水に飛び込む。全くの完全に偶然だけど下が水で助かったなあ。この世界では水に落ちればノーダメだからな。ああよかったよかった。…………浮いてこないな、二人とも。
- ここで終わるのかと一瞬思ったがそんなわけはなかった。水から上がったリンクがゼルダを草原にそっと寝かせる。やがて目を覚ましたゼルダは目の前の青年をリンクと呼んだ。記憶は失っていない様子。よ、よかった…。
- 聡い姫はリンクの背のマスターソードを見て状況をすぐに理解した。
「届いたの… ですね…」
届いたよ!!!!! 魔王は倒された。夢じゃないよ。よく頑張ったよ。
- ずっとまどろみの中にいたと語るゼルダ。とても大きな温かなものに包まれて目が覚めた。誰に向かってか「ありがとう」と呟く。
- リンクに向き直って微笑みながらゼルダは話す。
「私 ずっと昔の時代で いろんな人に逢いました」「貴方に話したい事が たくさんあります…」「ただいま… リンク」
- ここでスタッフロール。ええ泣きました。泣いたとも。ティアーズだけに。前作クリア後からゼルダ姫に対する思い入れが培われてきて、なおかつ本作でのヤバすぎる覚悟を見せつけられて、それがようやく報われてグッと来ないわけがない。よかったよォ。
- スタッフロールおわり。The End と出たがもうちょっとだけ続いた。
- 魂状態のミネルの先導で時の神殿を訪れたリンクとゼルダ。4人の仲間とプルアもいる。ゾナウ文明の力にあらためて驚いているプルア。ミネルはここからハイラルの全てを見てもらいたかったのだそうだ。もちろんユン坊はこんな高い所に来るのは初めて。ゼルダはずっとこの空にいたのだなとルージュ。とはいえ彼女に龍だった間の記憶は無いのだが。
- もう一度ここに立てるとは思っていなかった。そう話すゼルダに推論を語るミネル。ラウルとソニアがリンクに力を貸した結果起きた奇跡かもしれない。ありがとう二人とも…。あとモドレコも。あらためて感謝を伝えるようにリンクを見つめるゼルダ。なんか言えよリンク。
- だが優しい時間は永遠には続かない。ミネルに旅立ちの時が来てしまった。遥か昔の災いは皆の力で祓われた。これで私もラウル達のもとへ行くことができます。そう、ミネル様は本来ならこの時代にいる人ではない。自らに課した使命を終えた今はもう休んでいい時なのだ…。
- とはいえ寂しさを隠せないチューリ。悲しげに下がっていた眉毛が急に上がった。何か思いついた様子。仲間たちに示し合わせてポジションを整える。かつての初代賢者たちの誓いを再現しようというのか。味なことをする…と思ったら噛んだ。「ゼルダ姫を支え」と言おうとして噛んだ。ささ。
- でもいいんだ、大事なのは心だ。
「集いし 我ら この後も ゼルダ姫を支え ハイラルの安寧を誓おう」
今度はちゃんと言えた。ゼルダは皆の想いを受け止めた。ラウルとソニアにも伝えましょうとミネル。なんという安らかなお顔。最後に感謝の言葉を残してミネルの魂は空に溶けていった。思わず手を伸ばすゼルダ。堪えきれず目から涙が溢れる。自分が龍になると決めた時でさえ泣かなかったのに人のために涙を流すのか…。依代であったゴーレムも役目を終えて倒れた。
- ラウル、ソニア、ミネル、古代の賢者たち。彼らが願ったのは束の間ではない、ハイラルの永遠の安寧。私はその想いに応えたい。新たな決心を胸にゼルダは言った。
「…皆 力を貸してください 私に!」
- これで本当に終わり。綺麗なラストシーンだ。お別れは寂しいが悲しい別れではなかった。ミネル様、美しかった。
- タイトル画面に戻った。念のためセーブデータを確認したが前作同様日付の右側に★が付いている。開いてみたところ人物名鑑にガノンドロフが追加。イラストがシブいぜ。これで全員分揃ったらしい。今作はDLCの発売予定は無いとのことでクリア後は普通に本編内のやりこみ要素などをやることになるのだろう。追加コンテンツがないのは残念ですがストーリーもスッキリ終わったし仕方なかろう。…ところで厄災ガノンとガノンドロフの関係は結局なんだったのか。ゾナウ族と文明が滅んだ理由は? ラウルとソニアがゼルダの御先祖様であるなら初代国王と王妃の子がいたはずだが結局どこにいたのか? 魔人像と女神像の関係は? トライフォースは? 最後にリンクが着ていた服はどこに消えたのか?……謎は若干残ったがプレイできて良かった。楽しかった。
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- 『ティアーズオブザキングダム』のプレイ日記は以上です。お読みいただきありがとうございました。
感想など
- よかったところ:
前作の遊びやすさと「ウロウロしてるだけでなんか楽しい」はそのままに純粋に色々とパワーアップ。少なくとも「このへんはブレワイのほうが良かったなあ」と思うことはほとんど無かった。前作と基本的なマップは同じなのに全然違う体験が出来たのも何気に凄い。昔住んでいた場所に行った時に発生する「へぇ、こんな風に変わったんだ」と感じるやつが無限に出て来るというか。ゲームが進むたびにやれることが増えて「このゲーム終わらんのでは」と恐怖したのはいい思い出。地図埋めは地上も地底も楽しかった。武器をクラフトしないと使い物にならないというシステムは最初は面食らったがそのおかげか最後まで戦闘がマンネリ化しなかった。今作は武器のベースとなる「いい感じの棒」を常に探す旅でもあった。マンネリといえばブレワイでは4地方のボスは全員カースガノンで個人的にちょっと残念でしたが今作ではボスもストーリーに絡めつつユニークなバトルが楽しめて良かったです。
- ゲームの(個人的な)反省点:
戦闘が下手で最後までガードジャストを覚えられなかった。ゾナウギアをあまり使いこなせなかった。変わった料理を作らなかった。ライネルなど強敵系の魔物と戦わなかった。今作でも馬の神に会わなかった(クリアまでに)。良い方向に考えれば「クリアしてもまだまだ遊べる」ということでもあるのだが。
- どうでもいい話:
ボコブリンなど既存モンスターのデザインが一部変わった件について、その理由が「武器に加工するのにちょうどいい感じの形に進化したから」だと気付いた時は笑ってしまった。あとコルテンが付けているサトリの顔のバッジ?が可愛い。ちょっと欲しい。
- キャラクターについて:
大半の登場人物が前作からの顔見知りゆえキャラクターへの思い入れは今作のほうが強い。メインキャラはもちろんサブキャラ含めて「あっこの人は前作の」と思う瞬間も楽しかった。キャラデザが刺さったのはラウルだが途中からソニア様のファンになり終盤はミネル様にキャーキャー言っていた感がある。不可抗力です。そしてやはりガノンドロフの顔芸は衝撃だった。ラストバトルであの顔が出てきたら耐えられなかったであろう。
- イベントについて:
プレイ記録でも興奮気味に書いた通りとにかくマスターソード入手のイベントが最高だった。ゲームの中の自分(操作キャラ)と現実の自分の意識が一体になるような瞬間を味わえるゲームは本当に良い。ミネル様を自力で見つけられたのもグッと来たが有刺鉄線デスマッチは予想外にも程があった。誰の趣味なんですか。
- 演出について:
ほぼ何も知らずに始めたのもありオープニングからワクワクの連続だった。特にゲーム終盤の演出はかなり熱かった。姫をモドレコで元に戻すのは予想していた通りだがあえてそのことを強調しないのは粋だった。思えば一番目立つ『手の甲』に配置されていたのも伏線だったんだなと…。
- ほかにも黒龍へのトドメをムービーで流さずボタンを押させてくれたのとか、落下する姫を捕まえに行くところとか、細かいことかもしれないがこういうことで没入感を高めてくるのは大事だと思った。あとメインチャレンジ完了の表示で『ガノンドロフは討伐された』『ゼルダが帰ってきた』の念押しをするやつ、「目標として提示したからには完了したら完了と表示しなければならない」という律儀なゲーム的演出ではあるんだけど、その表示が出ること自体が何かの祝福のように感じられてなぜか胸に来た。
- ストーリーについて:
良かった。リンクが報連相を出来ていなかった事くらいしか大きな不満はない。すまんプルア。龍の泪で見られる過去編は毎回楽しみでした。断片的な情報から少しずつ自分の中で気持ちが盛り上がっていく楽しみがあった。プレイの都合でほぼ一気に読んでしまったが花形小島の石碑も良かった。
- そしてスタッフロール、名シーン振り返りのあとの握手シーン特集はストーリー全体の総括のようでグッと来た。上手く言えないけど何かを繋ぐ、伝える、継承するというのもテーマのひとつだったのかな。力とか使命とか想いとか。疫病の流行で世界的に様々な分断が起きていた最中に開発されたゲームというのもあるし…。例えばソニア様がよく姫の手を取っていたけどあれって凄く象徴的な行動じゃないですか。誰の手も取らず己の欲のみを追い求めたガノンドロフと分かりやすい対比だ。冒頭で地の闇に落ちる姫の手を取れなかったリンクが最後の最後でゼルダの手を取って助けるのも、かつての「届かなかった」が様々な積み重ねによって「届いた」に変わったんだ、という非常にストレートなシーンですよね。胸が熱くならないわけがない。
- ティアキンは現時点ですでにかなりのヒット作になっていますが今後また続編(つまり3作目)が出るのか、はたまたゼルダシリーズの別の新作が出るのか気になるところ。
karayage